ふぐの肝は大分で食べられるのか
2011/11/25新聞で、長崎県でフグをつった人が食べて重体になってしまったニュースがありました。
ふぐといえば
「フグは食いたし命は惜しし」という諺?もありますが
本当においしいですよね。
私の祖父は、本当にフグが好きで
「フグの刺身をのせた皿に箸をまわして食うのが人生の夢だった」といってました。
さて、私は大分出身ですが
昔から
「フグの肝は日本で唯一大分なら食べられるんだよ」
という話を聞いていました。
フグの肝は
多くのグルメをうならせる美味で有名です。
確かに思い出してみると、昔別府でフグの肝らしきものを食べた記憶もあります。
インターネットでちょっと探してみると
「大分は全国で唯一フグの肝を食べることが条例で許可されています!」などということも書かれていまして、
ネットを見ていると、そうかもしれない!と思ってきました。
さて、これは実際本当なんでしょうか。
食品衛生法第6条とその2項を見てみますと
第6条
「次に掲げる食品又は添加物は、これを販売し(不特定又は多数の者に授与する販売以外の場合を含む。以下同じ。)、又は販売の用に供するために、採取し、製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。」
「 有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いがあるもの。ただし、人の健康を損なうおそれがない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。 」
フグの肝は
有毒な物質が含まれている疑いのあるもので
かつ厚生労働大臣の定める場合に入っていません。
ですので、この第6条2項により、全国ではフグの肝は販売や調理が禁止されています。
厚生労働大臣はどこかで大分での調理を特別に許しているのではないかと規定をいろいろ見てみましたが
・・・どこにも見当たらない。
ということは、法的にはやっぱり大分県でもフグの肝は食べられないということになります。
どこか見落としたんじゃないかと思って
いろいろ探してみましたところ
大分県ホームページの食品衛生の相談のところで
「ふぐの肝は食べられません」
としっかり答えが書いてありました。
・・・
すっきりしましたが、ちょっと残念なような。
ちなみに
食品衛生法は
食べた人を処罰する法律では
ありませんので
食べたことが悪いわけではありません。
どこかで出されたときは、自己責任で判断しましょう。
文責 弁護士 矢口耕太郎