M&A・企業再建

M&A・企業再建

M&A

M&A(Mergers and Acquisitions)とは、「企業の合併と買収」を意味します。
企業の合併・買収にあたっては、合併・買収する企業の財務・労務・人事等を分析し、契約書を精査して、法的なリスクの有無を確認する必要があります(デューデリジェンス)。
当事務所では、M&Aに精通した会計事務所と提携して、相手方との交渉、契約書の作成・確認等、企業の合併・買収に伴い必要不可欠な法的サービスを提供します。

企業再建

当事務所では、経営危機に陥った会社を安易に破産させるのではなく、核となる収益事業の有無等の財務・人事を分析し、事業を継続することを第一の目標として、お客様のご相談に応じます。
その上で、私的整理・民事再生・会社更生等のいずれの手続がふさわしいのかご提案をいたします。
当事務所の主な取扱分野は以下のとおりですが、具体的な案件に応じて、これらの方法を複数組み合わせて用いることもあります。

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企業再建に向けた流れ

企業再建に向けた流れ

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取扱分野

・私的整理
債権者とそれぞれ話し合って、債務の減額・分割払いなどの交渉を行う方法です。(やや正確性を欠きますがわかりやすく言えば)民事再生手続や会社更生手続とは異なり、裁判所の力を借りず、経営危機に陥った会社と債権者との協議だけで再建を目指すやり方です。
私的整理の一番のメリットは、すべての債権者を対象にする必要がないため、商取引先債権者(=金融機関以外の債権者)を巻き込まずに再建を目指すことができる点です。
これによって、取引先の連鎖倒産や納入拒否などの事業運営上の混乱を防ぐことができます。
通常は、このように商取引先債権者を除いた金融機関に対し、その金融債務の減免や支払猶予を求めていくことになります。
そのため、金融機関の協力さえ得られれば、私的整理の事実を公にすることなく、秘密裏に進めることもでき、信用不安を知られることなく再建を目指すこともできます。
一方で、私的整理の一番のデメリットは、私的整理の対象となった債権者の全員の賛成が得られなければ、どんなに優れた再生計画案であっても、私的整理による再建はできないという点です。
以上のような特徴を持った私的整理による再建を目指して、当事務所では、複数の弁護士による対応だけではなく、公認会計士、税理士等の協力体制を整えています。
なお、やむなく事業を消滅させる場合であっても、この私的整理を利用することも可能です。
・民事再生手続
法律で決められた基準に従って、債務の一部を数年間で分割弁済し、残りの債務を消滅させる方法により企業の再建を図る手続です。
具体的には、
①申立をする企業が、自社の将来の収入によって、債務を分割して返済する計画(これを「再生計画」と言います。)を書面で作成し、裁判所に提出します。
②裁判所が、作成された再生計画に賛成するのかどうか、債権者の決議に付します。
③債権者により再生計画が可決された場合、裁判所がその再生計画を認めるかどうか判断します。
④再生計画が裁判所に認められた場合、申立をした企業が再生計画に従った返済をすれば残りの債務が免除されます。
・会社更生手続
法律で決められた基準に従って、債務の一部を数年間で分割弁済し、残りの債務を消滅させる方法により株式会社の再建を図る手続です。
債権者数が多く、債権額も大きい比較的大規模な会社を想定した手続で、民事再生に比べその手続が非常に複雑・厳格です。
・民事再生手続と会社更正手続の違い
主な具体的相違点は、①会社更生手続の対象が株式会社に限られる、
②民事再生手続の場合原則として旧経営陣に会社の経営権が残るのに対し、会社更生の場合経営権は裁判所が選任する管財人に引き継がれ、旧経営陣は会社の経営から外れる、
③民事再生手続の場合担保権者は担保権を実行することができるのに対し、会社更生手続では手続とは別に実行することができない、
④民事再生手続の場合株主の権利が残るが、会社更生手続の場合原則として残らない、等があげられます。詳細については、当事務所にてご相談の際にご質問下さい。
・会社の合併、分割
M&A、企業再建の手法として、会社の合併、分割を利用する方法があります。
会社の合併とは、複数の会社が合一して、一つの会社になる手法ですが、当事会社のすべてが新設会社に事業を移転し、当事会社は消滅する新設合併と、当事会社のうちの一つが他の会社の事業を引き継ぎ、他の会社が消滅する吸収合併があります。
合併のメリットとしては、単一の法人として規模の拡大が図られることや、事業譲渡や株式の売買と異なり、買収資金を用意することが基本的には不要であることなどが挙げられます。
他方、デメリットとしては、消滅会社の事業を全て引き継ぐため、不要な事業も承継せざるを得ないことや、包括的に権利義務を承継するので、偶発債務や簿外債務があった場合もその債務を承継してしまうことなどが挙げられます。
会社の分割とは、会社の事業の一部を他の会社に承継させる手法ですが、既存の会社に承継させる吸収分割と、新たに設立した会社に承継させる新設分割があります。
会社分割のメリットとしては、事業部門ごとに分社化させ、経営効率の向上を図れることや特定の優良な事業部門を切り離して、新設会社や既存の会社に承継させられることなどが挙げられます。
他方、デメリットとしては、合併と同様、特定の事業に関する権利義務が包括的に承継されますので、偶発債務や簿外債務がある場合はその債務を承継する可能性があります。
なお、優良部門を切り離して新設会社に承継させ、不採算部門や金融債務を分割会社に残して清算するという手法、いわゆる第2会社方式と呼ばれている手法は、やり方によっては、濫用的会社分割として詐害行為取消の対象となる可能性があります。
この手法を用いる場合には、金融機関等の債権者に対してスキームを十分に説明し、理解、協力を得た上で実施することが大切です。
・株式譲渡、事業譲渡
株式譲渡は企業の既発行の株式を譲渡する方法であり、事業譲渡は企業の事業そのものを譲渡する方法です。
株式譲渡では企業の所有権そのものを譲渡するため、企業が保有する各種資産等について個別に譲渡するための手続が不要です。このため、手続が比較的簡便であるという特徴があります。
一方、事業譲渡では譲渡する資産・負債を個別にリストアップするため、いわゆる簿外負債を引き継がないのが原則です。このため、買手側のリスクを限定できるという特徴があります。
・株式交換、株式移転
株式交換・株式移転とは、組織再編の一環として、いわゆる「持ち株会社」を作り、既存の会社を持ち株会社の完全子会社とするために用いられる手法です。
株式交換は、既存の会社が持ち株会社(完全親会社)となって、既存の別会社(複数でも可)の株式をすべて取得して完全子会社化する、というものです。
他方、株式移転は、持ち株会社となる会社を新規に設立した上で、既存の会社(複数でも可)の株式をすべて取得して完全子会社化する、というものです。
株式交換・株式移転は、共に、既存の会社を持ち株会社(完全親会社)の完全子会社とするという点では同じで、一般的には、既存の会社(完全子会社)の株主が持ち株会社(完全親会社)の株主となることになる代わりに、持ち株会社(完全親会社)が既存の会社(完全子会社)の全ての株式を取得することになります。
他方、株式移転の場合には、完全子会社の株主は、株式移転に伴い持ち株会社(完全親会社)の株主となりますが、株式交換の場合には、完全子会社の株主に対して、持ち株会社(完全親会社)の株式ではなく金銭等を交付することにより、完全子会社の株主の一部もしくは全部を締め出す(スクイーズアウト)こともできますが、その場合には債権者保護のための手続が必要になります。
このように、株式交換・株式移転は、持ち株会社を既存の会社の完全親会社とするという組織再編上の目的は同じですが、手続が異なっています。 組織再編に当たって株式交換と株式移転のどちらを選択すべきか等、詳細については、当事務所にてご相談の際に御質問下さい。

鴻和法律事務所では、初回の法律相談について30分間無料で実施しております。

また、御希望の方には事業再生・倒産専門部に所属する2名の弁護士による専門法律相談を行います。専門法律相談の費用は1時間で1万1,000円となります。

【弁護士だより】
経営者保証に関するガイドラインが公表されました
中小企業再生のために、新しい特定調停制度の運用が始まりました
債権者から債務免除を受ける場合の税務上の問題

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M&A・企業再生のQ&A

Q1 法人が自己破産するにはどのようなお金が必要となりますか?
法人が自己破産を申立てるためには、印紙代、官報公告料、予納郵券代、裁判所に対する引継予納金、弁護士費用が必要となります。
Q2 官報公告料とは何ですか?
官報とは日本国の機関紙です。自己破産申立をした場合には、官報に複数回公告(本店所在地や代表者名等の掲示)がなされます。自己破産申立をするためには、この費用を裁判所に納める必要があります。
Q3 官報公告料は、いくらくらいかかるのでしょうか?
約1万円程度ですが、事案によって若干異なります。
Q4 引継予納金とは何ですか?
自己破産手続を申立する際に、申立人が裁判所に納めなければならない手続費用です。
Q5 引継予納金は何に使われますか?
裁判所が選任する破産管財人の報酬や債権者への配当に充てられます。
Q6 破産管財人とは誰ですか?
破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者(破産法第2条12号)です。通常は、弁護士資格を有する者の中から裁判所が選任します。
Q7 引継予納金はいくらくらいですか?
福岡地方裁判所の基準では、最低20万円(官報公告料別途)とされていますが、債権者数等によって異なります。詳細については、弁護士にご相談ください。なお、当事務所の初回法律相談料は同一の相談について30分間まで無料となっておりますのでお気軽にご相談ください。
Q8 弁護士費用はいくらくらいですか?
原則として最低50万円は必要となりますが、破産する法人の資本金、資産、負債、関係者の数、申立前に準備をしなければならない事項の多寡、事件の難易度等に応じて難易度によって異なります。詳細については、弁護士にご相談ください。なお、当事務所の初回法律相談料は同一の相談について30分間まで無料となっておりますのでお気軽にご相談ください。
Q9 法人の代表者個人も自己破産申立をする場合、法人が納める引継予納金とは別に、個人が納める引継予納金が必要となるのでしょうか?
原則として法人が納める引継予納金とは別に最低20万円が必要となりますが、事案に応じて、裁判所が判断し、減額される場合もあります。
Q10 法人の財産を代表者個人の引継予納金として使うことはできますか?
法人と代表者個人の財産は別ですので、法人の財産を代表者個人の引継予納金として使うことはできません。
Q11 すぐに費用が用意できない場合、自己破産申立をすることはできないのでしょうか?
財産を処分したり、積立をしたりする方法により費用を捻出し、自己破産申立をする方法もあります。詳細については、弁護士にご相談ください。なお、当事務所の初回法律相談料は同一の相談について30分間まで無料となっておりますのでお気軽にご相談ください。
Q12 自己破産申立をするための費用を捻出するために、法人の財産を処分しようと考えています。何か注意することはありますか?
財産を廉価で処分した場合には、後日、破産管財人から損害賠償請求を受けたり(破産法178条等)、その行為を否認(破産法160条以下)されたりする可能性があります。そこで、処分の必要性や相当性を慎重に判断した上で、相当価格で処分をする必要があります。財産を不適切な対価で処分した場合には、法人の代表者の免責に悪影響を及ぼす可能性がありますので、具体的な処分については、弁護士と相談の上で行うことをお勧めいたします。
Q13 否認とは何ですか?
否認とは、破産管財人が破産手続開始決定前にされた破産者またはこれと同視される第三者の行為の効力を否定することです。

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