経営者保証に関するガイドラインが公表されました
2014/09/01経営者保証に関するガイドラインが公表されました。
昨年12月5日に経営者保証に関するガイドラインが公表され、今年2月1日から適用が開始されました。
経営者保証に関するガイドラインとは、経営者保証に関する中小企業、経営者及び金融機関による対応についての自主的かつ自律的な準則です。
経営者保証には、経営者への資金調達を円滑にする面がある一方、新たな事業展開や、早期の事業再生等を阻害するなど、様々な課題が存在しました。
このような課題を解決するためにガイドラインが策定されました。
このガイドラインは、具体的には、経営者保証における保証契約のあり方や保証契約の債務整理のあり方について定めています。
このガイドラインには法的拘束力はありませんが、金融機関等が尊重することが期待されており、新たに保証契約を締結する場合だけでなく、既存の保証契約の見直しや整理の場合にも、適用されます。
このガイドラインは、①法人と個人が明確に分離されている場合には、経営者の個人保証を求めないこと、②多額の個人保証を行っていても、早期に事業再生や廃業を決断した際に一定の生活費等(従来の自由財産99万円に加え、年齢等に応じて100万円~360万円)を残すことや、華美でない自宅に住み続けられることなどを検討すること、③保証債務の履行時に返済しきれない債務残額は原則として免除すること、などを定めています(詳細な内容につきましては中小企業庁のWebsiteに掲載されています。)。
ガイドラインの要件を満たし適用を受けることは必ずしも容易とは言えませんが、従来は、会社が廃業を決断し破産する場合に事実上個人保証をした保証人も同時に破産せざるを得なかったのに対し、ガイドラインの策定により、要件を満たす場合に破産をせずに債務を整理することができる可能性が高まったものと考えられます。
事業再生や廃業をご検討の方には適用の余地がありますので、詳細については弁護士にご相談ください。
文責 鴻和法律事務所 事業再生・倒産専門部