行方不明者

行方不明者

2011/03/29

こんにちは!弁護士の矢口です。

3月28日午後6時の発表では、死者行方不明者の数があわせて2万8522人、行方不明者の数は届出があっただけで1万7621人にのぼっているそうです。

今日は、行方不明にかかわる問題について、お話させていただきます。

行方不明になっているけれども、死亡していることがほぼ確実な場合

死亡していることがほぼ確実な場合、相続をどうやってするかが主に問題となってきます。

ただ、行方不明となっている場合は、まだ死亡しているかどうかが確実にわかるわけではありません。

そこで、このようなときは一般的には、民法30条の「失踪宣告」の申立てを行うことが予定されています。
震災で行方不明となった方の生死不明が1年以上続けば、家庭裁判所に失踪宣告の申立てを行うことができます。
この失踪宣告が行われますと、行方不明者は死亡したものとみなされます。

ただ、失踪宣告の場合は、1年以上続かないと相続が発生しません。

そこで、戸籍法89条に定めてあります「簡易死亡認定制度」も使われているようです。
これは取り調べをした行政機関が、死亡した場所の市町村に死亡報告を行って、本人の戸籍簿に死亡の記載をおこなって死亡を認定するというものです。
簡易死亡認定制度か失踪宣告によって、死亡が認定された場合には、相続が発生することになります。

なお、もし後になって生きていることが分かった場合には、当然ですが取り消すことができます。

あと、もし誰も相続する人がいなくなった場合の問題ですが、この場合は、家庭裁判所が選任した財産管理人が管理を行っていくことになります。一緒に生活をしていた方などがいなかった場合には、財産は国のものになります。

行方不明になっていて、まだ生きている可能性が十分にある場合

この場合は、どうやって行方不明者の財産を管理していけばいいかということが主に問題となってきます。

一般的には、行方不明者の関係者の方、検察官から、家庭裁判所に財産管理人の選任の申立てを行っていくことになります。

家庭裁判所が財産管理人を選任すると、財産管理人は財産を現状のまま守るために、種々の行為を行っていくことになります。

今回の悲惨な地震で、極めて多くの死亡者が出ました。少し時間がたつと、相続や保険金のトラブルが多くなってくると思います。

迷ったときは相談に行ってみて下さいね。

平成23年3月29日 文責 弁護士 矢口耕太郎

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