「ネット選挙運動解禁」をもっと詳しく~電子メールの表示義務と保存義務について~
2013/05/17こんにちは!弁護士の野村と矢口です。
今日は②電子メールを利用する方法による選挙運動用文書図画の頒布の解禁について、もう少し具体的にお話します。
選挙運動用の電子メールは必ず書かなければならないことがあります。
公職選挙法142条の4第6項によれば、
①送ったメールが選挙運動用電子メールであること
②送信者の氏名・名称(誰が送ったか)
③選挙運動用メールの送信者に対して、送信拒否通知を行うことができるということ
④送信拒否通知を行う際に必要となる電子メールアドレスその他の通知先
を表示しなければなりません。
これは、自分の送ったメールの内容に責任を持たせることでなりすましを一定程度防いだり、受信者に迷惑が生じないようにすることを目的としています。
また、選挙運動用電子メールは記録を保存しておかないといけません。
公職選挙法142条の4第2項1号、同2号に規定されていますが
具体的には
① 受信者から送信されてきた電子メールや送信の申込みの書面
② 送信時点における政治活動用メールマガジンの送信先リスト
③ 送信者がその通知のために送信した電子メール
などを保存しておく義務があります。
電子メールの送信先制限違反には罰則があるため、送信先制限違反に問われた際に送信者が送信先制限規定を守っていることを証明するために、この保存義務が重要になってきます。
この保存義務は罰則はありませんが、保存していないことが違反の疑いをさらに強めることにもなってしまいかねませんので、注意が必要です。
平成25年5月17日
弁護士・登録政治資金監査人 野村 俊輔
弁護士・登録政治資金監査人 矢口 耕太郎