詐欺事件の弁護活動

詐欺事件の弁護活動



1 詐欺事件の特徴

詐欺は、他人から金品を騙し取ったりする犯罪です。

ただ、一口に詐欺といっても、無銭飲食(代金を払うかのように騙して料理を提供させる)のように単純なものから、架空取引を口実とした計画的なもの、保険金詐欺や振り込め詐欺など、様々なタイプの詐欺罪があり、その態様や被害額などによって、起訴猶予や執行猶予になるのか、いきなり実刑になるのかも変わってきます。
また、詐欺をするにあたって、公文書(戸籍や住民票など)や私文書(契約書など)を偽造し、それを利用した場合には、文書偽造罪や偽造文書行使罪などの罪にもあわせて問われ、より刑が重くなる可能性があります。
一方で、刑法上の「詐欺」が成立するには、いくつかの要件を満たす必要があり、一般的に「詐欺」と考えられているような行為の全てが、「詐欺罪」として処罰の対象となっているわけではありません。

 

2 詐欺事件での弁護活動

(1) 被疑者段階の弁護活動

詐欺事件での弁護活動では、上記のような特徴を踏まえた弁護活動が欠かせません。

まず、最も重要なことは、捜査機関からはどのような詐欺をしたと疑われているのか、本人が本当にしたことは何なのかということを正確に把握することです。
ですから、まずは綿密な接見を通して、逮捕・勾留されているご本人の言い分を正確に理解するとともに、取調べの内容を聞き取って、捜査機関がどのような詐欺をしたと疑っているのか、どのような証拠(書面や関係者の供述)があるのかということを可能な限り正確に推測することが不可欠です。

その上で、そもそも本人のとった行動が詐欺罪に問われるものであるのかについて、過去の判例や学説なども踏まえて十分に検討します。
結果的には被害者が騙された形になっていても、必ずしも詐欺になるわけではなく、実際に裁判において無罪になっているケースもあり、この点についての検討は非常に重要です。
また、複数の関係者が絡んでいるときには、そのうちの一部の人については詐欺罪が成立しても、他の人には詐欺罪が成立しないという場合もあります。たとえば、その人自身、他の人から騙されていたとか、あるいは取引内容の全体は把握していなかったというような場合です。
以上のような点を十分考慮し、そもそも無罪になる余地のある事件なのか、あるいは有罪は免れない事件であるのか、またそれらの有罪となるポイントについて証拠があるのかないのかなどを検討していきます。

そして、無罪になる余地のある事件であれば、無罪の根拠となるような(詐欺の成立を妨げるような)証拠の収拾(書類等の収拾や関係者からの聴取等)を進めていき、検察官に意見書を提出するなどして、不起訴処分を求めていきます。

一方で、被害者に対する被害弁償や示談も、極めて重要な弁護活動となります。有罪を免れない事件の場合は当然ですが、刑事上は無罪になる事件であっても、民事上の損害賠償義務や支払義務を負う場合があります。
いずれの場合でも、被害弁償や示談をすることにより起訴猶予となる可能性があり、被害弁償が可能なのであれば、できるだけ早期に被害弁償を進めていく必要が高い事件が多いです。

いずれにせよ、どのような弁護活動が効果的なのかは事件によっても異なってくるため、そのような弁護活動の見極めを適切に行っていくことが非常に重要になります。

さらに、平成30年6月からは、捜査・公判協力型協議・合意制度、いわゆる日本版「司法取引」が導入され、詐欺罪もその対象となっています。そのため、詐欺事件の全貌を明らかにしたり、上位者に関する供述を得たりするために協議が申し入れられる可能性があり、その場合には適切に対応することが重要です。

 

(2) 被告人段階の弁護活動

特に有罪を争わない事件の場合には、被害弁償や示談が刑の重さに影響を与える重要な弁護活動となります。
その他、詐欺罪が成立するとしても被告人にとって有利になる事情を探し出し、情状弁護をしていくことになります。

一方で、無罪を争う事件の場合には、まずは検察官が請求する証拠を十分に精査するとともに、検察官が請求する以外の証拠の開示を求めていきます。
欺罪の場合、関係者が多かったり、関係書類が多数あったりすることが多く、それらの十分な検討が不可欠です。

その上で、無罪の根拠となるような(詐欺の成立を妨げるような)証拠のを発見・収拾し、証拠調べ請求をしていきながら、無罪判決を求めていくことになります。

 

平成30年6月改訂
文責 甲木真哉

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