セクハラを理由とした処分に対する最高裁の考え方

セクハラを理由とした処分に対する最高裁の考え方

2015/03/16

2月26日にセクハラ事件について、最高裁判所の判決がでました。

セクハラを理由として「出勤停止」「降格」とした処分について、処分が争われていた事案です。
高等裁判所は、処分が重すぎるとして出勤停止や降格を無効としました。

しかし、最高裁判所は高等裁判所の判決をひっくりかえして、処分を有効と認めました。

判決文が既に最高裁判所のホームページにアップされていましたので少し見ていきたいと思います。
今回の裁判で、セクハラとして事実認定されている部分は、主に女性従業員に対して男性上司が自分の浮気相手や性欲の話をしたり、独身であることを侮辱する話をしたというものでした。

具体的な発言を少し取り上げてみますと、

「俺のん、でかくて太いらしいねん。やっぱり若い子はその方がいいんかなあ。」
「夫婦間はもう何年もセックスレスやねん。」「でも俺の性欲は年々増すねん。なんでやろうな」
「この前、カー何々してん」
「もうそんな歳になったん。結婚もせんでこんな所で何してんの。親泣くで。」
「もうお局さんやで。怖がられているんちゃうん。」
「夜の仕事とかせえへんのか。時給いいで。したらええやん」

といった、まあ・・随分とひどいセクハラ発言が飛び交っていたようです。

高等裁判所は、「従業員Aから明確な拒否の姿勢を示されておらず、許されると誤信していたこと」「事前に会社から警告や注意などを受けていなかったこと」などを考慮して処分は重すぎると認定しました。
しかし
最高裁判所はこの判断は是認できないとしました。

まず、上司らのセクハラ発言は、女性従業員に対して強い不快感や屈辱感を与えるものであり、極めて不適切で、勤務を辞めていることも考えれば有害な影響は見逃すことはできないとしています。
ここからがポイントだと思うのですが、

セクハラ行為については、被害者が内心でこれに著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも、職場の人間関係の悪化等を懸念して、加害者に対する抗議や抵抗ないし会社に対する被害の申告を差し控えたりちゅうちょしたりすることが少なくないと考えられる

として明確な拒否の姿勢を示していなくても有利には考えられないとしました。
その上で、その他の事情も踏まえて、セクハラの処分が重きに失して社会通念上相当性を欠くということができないと判断しています。

客観的にはセクハラでも、「自分が発言しても嫌がっていないからセクハラではない」と勘違いをしてセクハラを続けているという実態は多いと思います。
今回の判決で最高裁判所は、「セクハラに対しては拒否の姿勢が示しにくい」という特色を重んじて勘違いは有利に働かないと判断しています。

セクハラについては、会社側は窓口は設けるもののあまり厳正に対処していない、対処できないという現実もこれまでありました。
今回の最高裁判決で、より会社側も厳正に対処することができるようになったと思います。

文責 弁護士 矢口耕太郎

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