離婚、親子問題

離婚・親子問題

取扱分野

  • ・離婚・夫婦関係調整
  • ・内縁関係・婚約破棄、婚約不履行
  • ・慰謝料請求、婚姻費用・養育費請求、財産分与請求
  • ・子の親権、監護権、子の引渡し請求、面会請求権
  • ・認知、親子関係否認、養子縁組、離縁
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離婚の際に主に問題となること

1 親権者
離婚しようとする夫婦に未成年の子がいる場合、離婚時に必ず親権者を決めなければなりません。
そのため、離婚自体には争いがなくても、親権をめぐって争いが生じる場合が多々あります。
2 養育費
例えば母親が親権をとった場合、父親は子供の養育費を負担する必要があります。
養育費の額は、たいてい、親の収入や子の年齢等に応じて決められます。
3 面接交渉
親が離婚をしても子供の成長のために親子のふれ合いは重要です。
そこで、離婚をする際には、子供と離れて生活することになる親の面接交渉について定めておくのがよいでしょう。
4 財産分与
夫婦が婚姻中に協力して築いた財産は、離婚時に財産分与として清算されます。
どのような財産が対象となるか、どのような割合で分けるか・・・等に関して争いが生じます。
5 年金分割
平成19年から年金分割制度がスタートしました。
婚姻期間が長いいわゆる熟年離婚では、年金分割が大きな意義を持っています。
6 慰謝料
例えば、夫の不貞やDVなどが原因で離婚することになった場合、夫は妻に慰謝料を支払わなければなりません。
慰謝料の額はケースによって様々です。

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離婚・親子問題のQ&A

離婚の方法、戸籍について
Q1 夫との離婚を考えています。離婚するにはどのような方法がありますか?
  • 離婚方法としては,主に協議離婚,裁判離婚,調停離婚の3つがあります。
  • 「協議離婚」
  • 協議離婚は,夫婦で話し合ってそれぞれ署名捺印した離婚届を市役所等に提出する方法です。
  • 「調停離婚」
  • 調停離婚は,裁判所において中立的な立場の調停委員や裁判官に間に入ってもらった上で,話合いで離婚する方法です。
  • 「裁判離婚」
  • 裁判離婚は,話合いで離婚を決めるのではなく,一方が離婚を拒んでいても判決によって強制的に離婚する方法です。また,離婚の裁判をするには,予め調停を経ていることが必要になります(家事事件手続法257条)。
Q2 調停を申し立てても,調停で合意が成立しなかった場合,その後の手続はどのようになるのでしょうか?
調停で合意が成立しなければ,多くの場合,調停不成立となって手続は終了してしまいます。 あくまで離婚を求める場合には,新たに離婚訴訟を提起する必要があります。 なお,大変例は少ないですが,調停を不成立として終了させないで,裁判官が職権で調停係属のまま審判をする場合もあります(家事事件手続法284条。審判離婚)。
Q3 本人同士で離婚調停を行い,離婚が成立しました。調停または裁判で離婚が成立した場合でも,離婚届を出さなければならないのですか?
 離婚届は出さなければなりません。協議離婚の場合と異なり,相手方の署名・押印は不要ですが,調停調書の謄本(裁判離婚の場合には判決書の他に確定証明書も必要です。)を一緒に提出しなければなりません(戸籍法77条1項,63条2項)。申立人(原告)が調停成立の日(裁判確定の日)から10日以内に届出を行わなければなりません(戸籍法77条1項,63条1項)。10日をすぎれば,相手方(被告)も届出をすることができます(戸籍法77条1項,63条1項)。
Q4 3年ほど前に夫が家を出て行ったきり,音信不通となっています。離婚したいのですが,どうしたらよいのでしょうか?
協議離婚や調停離婚はできないので,裁判を起こすことになります。 夫からの反論はないので,激しい争いになるわけではないのですが,裁判所から夫に対して訴状と呼出状を送達する関係で夫の住所が分からないことから,公示送達(民事訴訟法110条)という特殊な手続をとる必要があり,一般の民事事件と違って相手方が欠席でも離婚原因の立証をする必要があります。 裁判で主張する離婚原因としては,配偶者から悪意で遺棄されたこと(民法770条1項2号),配偶者の生死が3年以上明らかでないこと(同項3号)が考えられます。後者については,単に連絡がつかないというだけでは認められず,本当に生きているのか死んでいるのか分からない状況でなければ認められません。従って,3年前に家を出て行ったけれど,2年ほど前に一度連絡があった場合などは,3年以上生死不明の状況とはいえないことに なります。 なお,この場合,調停を申し立てても成立する見込はないので,調停を経ることなく直接裁判を提起することができます(家事事件手続法257条2項ただし書)
Q5 今,夫とはまだ離婚していませんが,別居しています。子供は私が引き取っています。しかし,夫も自分が子供を養育したいと言ってきていて,子どもを渡さないのであれば,生活費を渡さないなどと言われています。どうしたらいいでしょうか?
離婚前はどちらも親権を有していますので,現在の養育に特に問題がなければ,夫に子どもを引渡す必要はありません。 子どもの引渡しを求めるには,監護権者(子どもを養育する権限をもつ者)を裁判所に指定してもらう必要がありますが(緊急性がある場合には仮に監護権者を指定する場合もあります。),そのような手続を経ずに子どもを奪うことは許されません。 一方で,離婚をしておらず,現実に子どもを養育している以上,自分と子ども分の生活費を夫に要求するのは権利として認められており(婚姻費用といいます。),相手方が生活費を支払ってくれなければ,家庭裁判所に婚姻費用分担の調停を申立て,話合いで解決できなければ審判(裁判)で裁判官が婚姻費用の額を決めてくれます。
Q6 現在、私は妻から私の不貞行為を原因として離婚を求める訴訟を提起されています。妻との間に子はいませんので養育費の請求はなく、また財産分与、年金分割も問題となっていません。請求されているのは、離婚と不貞行為による損害賠償(慰謝料)です。訴訟前の調停では慰謝料の点で折り合いがつかず、調停は不成立となりましたが、私は離婚自体には全く異論がなく、むしろ一刻も早く離婚したいと思っています。しかし、妻は慰謝料額が決まらない以上、協議離婚には応じられないと言っています。私は、離婚するためには、判決が出るまで待つしかないのでしょうか。
離婚請求を認諾することにより、離婚することができます。 請求の認諾(民事訴訟法266条)とは、被告が原告の請求に理由があることを認めて、訴訟を終了させることを裁判所に示す意思表示のことをいいます。口頭弁論や弁論準備手続などの期日において、被告が請求を認諾することを陳述し、裁判所書記官がこれを調書に記載することによって認諾が成立します。認諾により判決と同様の効力が生じますので(民事訴訟法267条)、基本的に認諾した後はその請求を争えなくなります。 人事訴訟においては、一般には請求の認諾は許されていませんが(人事訴訟法19条第2項)、離婚については、当事者の意思による協議離婚が可能であることから、離婚訴訟では請求の認諾をすることが許されています(人事訴訟法37条第1項)。もっとも、原告が、養育費、財産分与、年金分割や子の親権者の指定などについても、離婚と同時の解決を求めている場合(同法32条第1項、第3項)には、離婚請求について認諾をすることはできません(同法37条第1項ただし書)。   あなたの場合、離婚訴訟において求められているのは、不貞行為を理由とする損害賠償請求であるので、離婚請求だけを認諾することは可能ということになります。
Q7 離婚により,私(女性)が未成年の子どもの親権者となりました。私は婚姻前の姓に復氏して,新戸籍を編製したのですが,子どもの戸籍はどうなりますか?
親権者となった母親が新戸籍を編製したとしても,子どもの戸籍が当然に変わるわけではありません。すなわち,たとえ母親が親権者となっても,そのままでは子どもは父親の戸籍に入ったままです。
母親が復氏している場合,子どもを母親の戸籍に入れるためには,子どもの氏も母親と同じ氏に変更しなければなりません(戸籍法18条)。その場合,子どもの氏を変更するために,家庭裁判所の許可を受けることが必要です(民法791条)。
また,仮に母親が離婚後も婚姻中の姓と同じ姓を用いる場合でも(婚氏続称,民法767条2項),婚姻中の姓と離婚後の姓は厳密には別の姓ということになりますので,子どもを母親の戸籍に入れるためには,家庭裁判所で子の氏の変更許可を受ける必要があります。
Q8 離婚により,私(女性)が未成年の子どもの親権者となりました。私は婚姻前の姓に復氏して,婚姻前の戸籍に復籍したのですが,子どもの戸籍はどうなりますか?
親権者となった母親が復籍したとしても,子どもの戸籍が当然に変わるわけではありません。すなわち,たとえ母親が親権者となっても,そのままでは子どもは父親の戸籍に入ったままです。
しかも,戸籍は,夫婦及びこれと氏を同じくする子どもごとに編製されるので(戸籍法6条),母親が復籍した戸籍の筆頭者が例えば母親の父(子どもの祖父)等であれば,同一の戸籍に「親,子ども,孫」が入ることになり戸籍法6条に反してしまうため,そのままで母親と子どもの戸籍を同じにすることはできません。
子どもを母親の戸籍に入れたい場合は,母親を筆頭者とする新しい戸籍を編製したうえで,その戸籍に子どもを入れることになります。
離婚原因について
Q1 夫が精神疾患に罹患しています。精神疾患を理由に夫と離婚することはできますか?
民法は、精神疾患を離婚原因の一つに挙げていますが(第770条第1項第4号)、裁判において、精神疾患を理由とする離婚請求が認められるためには、①「強度」で「回復の見込みがない」精神疾患という要件とともに、②今後の療養、生活等についての具体的方途が要求されます。 ①「強度」の精神疾患とは、夫婦の相互協力義務を十分に果たし得ない程度の重い精神障害に達している場合をいい、「回復の見込みがない」とは、ある程度の継続的治療を行っても夫婦としての精神的交流ができるほど回復しない場合をいいます。裁判においては、医師の診断を参考にして、最終的には裁判官が判断しますが、厳格に判断される傾向にあります。もっとも、仮に、強度で回復の見込みがない精神疾患であることが否定された場合であっても、その他の事情を総合的に判断して、「婚姻を継続し難い重大な事由」(第770条第1項第5号)があるとして、離婚が認められることもあります。 ②今後の療養、生活等についての具体的方途とは、精神疾患のある配偶者の保護から要求されるものであり、例えば、財産分与により療養・生活費相当額を負担すること、離婚後の扶養に協力する旨表明していること、親族などによる病人の引受態勢ができていること、国の費用負担による入院治療が可能であることなどが具体的方途として考えられます。
Q2 アルツハイマー病に罹患して痴呆状態となった妻と離婚することはできるのでしょうか?
まず、アルツハイマー病による痴呆状態が「強度の精神病」に該当するとすれば民法770条1項4号による離婚をすることが可能となります。
もっとも、「強度の精神病」と認定されるための要件は厳しいことから、民法770条1項4号に該当しないとしても、同5号の「婚姻を継続し難い重大事由があるとき」として離婚が認められる場合があります。同5号により離婚が認められる場合であっても、実質的には精神病による離婚とも言いうることから、本来同4号により離婚が認められる為の要件とされている「離婚後の療養・生活についての一定の配慮」が必要となります。
また、年老いて痴呆が進行した配偶者に対する離婚請求を安易に容認することは好ましいことではないことは明らかです。
そこで、同5号により離婚が認められる為には、上記要件の他、これまでの結婚生活の状況、痴呆症の程度・症状、離婚請求する一方の配偶者が痴呆症の配偶者に対して誠実な介護等をしたかどうか等を総合的に判断して離婚の可否が決められることになります。
裁判例でも、アルツハイマー病に罹患して痴呆状態となった妻に対する離婚請求について、長期間にわたり夫婦間の協力を全く果たせず夫が見舞いを続けていること、離婚すれば特別養護老人ホームの費用は全額公費になること、離婚後も夫の妻に対する若干の経済的援助及び面会なども考えられていること等を指摘した上で、民法770条1項4号の該当には疑問があるが、同5号には該当するとして、離婚を認めています(長野地裁平成2年9月17日判決)。
以上のとおり、奥さんの状態が「強度の精神病」に該当するとすれば民法770条1項4号により離婚することは可能です。また、そうでないとしても、民法770条1項5号により離婚することも可能ですが、その場合には、上記のとおり諸般の事情を総合的に判断して離婚の可否が決められることになります。
Q3 1年前、夫が性格の不一致を理由に離婚訴訟を提起しました。裁判において、私が「夫は浮気をしているから、夫からの離婚請求は認められない」と主張して争った結果、裁判所は私の主張を認めて、夫側の敗訴判決が確定しました。その後、夫との夫婦生活を続けていますが、私は、やはり夫と離婚したいと考えるようになりました。夫は裁判の途中で浮気をやめたようで、現在は離婚を望んでいません。このような場合、当時の夫の浮気を理由に、今度は私の方から離婚訴訟を提起することはできるのでしょうか?
離婚や認知など、夫婦や親子等の関係についての争いを解決する訴訟を「人事訴訟」と言います。 人事訴訟においては、判決(訴えを不適法却下した場合を除きます。)の確定後は、 原告は、その訴訟において請求又は請求の原因を変更することにより主張できた事実に基づいて、被告は、反訴の提起により主張できた事実に基づいて、同一の身分関係についての訴訟を提起することはできないと規定されています(人事訴訟法第25条)。 難しい表現になりましたが、要するに、いったん判決が確定してしまうと、その後は、前の訴訟で主張できた事実によって、もう一度同じ身分関係を争うことはできなくなるということです。 ご質問のケースでは、前の訴訟において、夫の浮気を離婚原因として主張することができたにもかかわらず、これを主張しなかったことになりますので、判決確定後に、当時の夫の浮気を離婚原因として主張して、もう一度離婚訴訟を提起することは、許されません。なお、判決確定後も別居が続いている場合には、別居していることを主張して、離婚訴訟を提起することはできます。 したがって、こちらから訴訟を提起した場合はもちろん、相手方から離婚訴訟等を提起された場合であっても、その訴訟で主張できる事実は、その訴訟において主張しておく必要があるということになります。
Q4 現在結婚して4年目ですが、夫が結婚当初は働いていたのにすぐに辞めてしまい、もう3年以上も働いていません。夫には特に持病などはなく、何度働いてほしいとお願いしても、「面倒くさい。おれに文句をいうな!」といって家で毎日テレビばかりみています。家事も全くしてくれません。私一人で働いていますが、もう我慢の限界です。こんな夫と離婚することは出来るでしょうか?
今回の場合ですと、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき。」(民法770条1項5号)に該当するかが問題となります。
「その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき。」とは、婚姻関係が深刻に破綻し、婚姻の本質に応じた共同生活の回復の見込みがない場合をいうとされています。具体的にどのような事情があればこれにあたるかは、婚姻中の当事者双方の行為、態度、婚姻継続の意思の有無、子の有無・状態、双方の年齢、別居の有無、その期間の長短など当該婚姻に現れた一切の事情を考慮して客観的に決するとされています。
夫が、婚姻期間の4年中3年も仕事に就かず、家事もしないということは、健全な夫婦共同生活の維持を困難にし、相手方に対する信頼と愛情を失わせて、これによって、婚姻関係を深刻に破綻させて回復の見込みがなくなれば、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき。」にあたる可能性があります。
他の事情も考えていく必要はありますが、離婚できる可能性は十分にあります。
Q5 私は、夫の両親と同居していますが、夫の母による嫁いびりに耐えることができません。これまで何度も夫に相談しましたが、母親を悪く言わないでほしいと言われるだけで、全く取り合ってもらえません。私が、「夫の両親と同居を解消しないのであれば、離婚したいと夫に伝えたところ、夫からは、「両親との同居は解消しないし、離婚にも応じないと言われました。夫の母による嫁いびりを理由に、裁判で離婚を認めてもらうことはできますか?
配偶者の親族との不和が原因で離婚請求に至った事案については、夫婦の一方と他方の親族との不和に起因して夫婦間の対立に発展した結果、「婚姻関係を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)があると認められる場合に、離婚請求が認められます。本件での「婚姻関係を継続し難い重大な事由」があるか否かの判断においては、①妻と夫の母との不和の原因、契機、その内容、互いの性格、言動、②夫婦と夫の母との同居の有無、③夫自身の性格、態度、円満な夫婦関係回復の意思の有無、その努力の有無、内容、④夫婦関係回復の困難性の程度、夫婦の別居の有無、その期間等の諸事情を総合的に考慮して判断されます。この種の事案は、具体的な事実関係により結論が左右されるため、一般的な判断の基準を示すことは難しいですが、裁判例においては、配偶者の親族との不和が原因で夫婦が別居にまで至っているケースで多く離婚が認められる傾向にあります。
婚姻費用、養育費について
Q1 離婚した後,養育費は子供が何歳になるまで支払ってもらえるのでしょうか?
法律上,養育費の支払時期について,定めがありません。従って,原則として,父母の合意によって定めた期間,支払われることになります。合意が成立しない場合には,調停や審判で決めることになります。父母の経済状況や生活環境等,様々な事情を考慮して,高校卒業年齢である18歳とされることもあれば,20歳までとされることもあり,さらに,大学卒業年齢である22歳までとされることもあります。
Q2 「婚姻費用」とはなんですか。また、裁判ではどのようにして金額が決められるのですか?
まず、婚姻費用とは、その資産・収入・社会的地位などに応じた通常の社会生活を維持するために必要な費用をいい、夫婦が互いに分担すべきもの、とされています。婚姻費用は、「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する」義務があるという民法上の規定(民法760条)を根拠として認められるものです。 したがって、無収入の妻と別居する収入のある夫は、原則として妻の生活費を支払わなければなりません。また、未払いの過去の婚姻費用については、無制限に認められるものではなく、裁判上は「請求又は申立てのとき」からとするのが一般的です。ですから、婚姻費用の請求をする際には、送付した日付と請求内容を郵便局が証明する内容証明郵便による請求書を送付しておくのが安全です。裁判において支払うべき婚姻費用の金額を決める際によく参考にされるのが、養育費・婚姻費用算定表です。この算定表は、養育費や婚姻費用の支払義務者の収入(年収)と、権利者の収入(年収)を照らし合わせ、子どもの人数や年齢に応じておおよその婚姻費用の金額の目安を示すものです。ここでいう「収入」とは、給与所得者の場合には源泉徴収表の「支払金額」を、自営業者の場合には確定申告書の「課税される所得金額」(ただし、青色申告控除や支払いがなされていない専従者給与などを「課税される所得金額」に加算する場合もあります。)を指します。
Q3 私は夫と別居中であり、夫からは早く離婚したいと言われています。別居中の生活費はできるだけ多く支払ってもらいたいと思っていますが、離婚前にもらった生活費が平均より多ければ、離婚時や離婚後に支払ってもらいたいと思っている慰謝料や財産分与が、裁判をすると減額されてしまったりすることもあるのでしょうか?
ご質問のあった生活費は、法律用語では「婚姻費用」といいます。まず慰謝料に関しては、それまでに婚姻費用が支払われた趣旨が、過去にあった精神的苦痛を慰謝するものでない限り、基本的には既に支払われた婚姻費用の額とは関係なく金額が決定されます。次に、財産分与に関しては、離婚訴訟において財産分与の額及び方法を定めるにあたっては、裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮すると民法で定められています(民法771条、768条3項)。この点に関して判断した有名な最高裁判例として、最高裁昭和53年11月14日判決がありますが、この判例に従うと、妻が遊興費として夫の稼いだ給料を費消してしまうために預金ができず、夫が自宅を買うために借入れをしたなどといった事情は、財産分与を決める際に考慮されることになるものと考えられます。ところが、近年、夫が自発的に、あるいは調停による合意を経て、妻に対して婚姻費用(生活費のこと)を送金していた場合には、送金された金額が標準的な金額を超えていても(ここでいう標準的な金額は、上記の算定表を用いて婚姻費用額を定める標準算定方式という基準に基づいた金額をいいます。)、その金額が夫と妻のそれぞれの収入状況や生活状況に照らして著しく不相当だといえるほど高額でない限り、標準的な金額以上の婚姻費用を支払ってきたという事実は、財産分与の算定において考慮されないという判例が出ました(大阪高裁平成21年9月4日決定、なお夫婦関係が円満な期間について高松高裁平成9年3月27日判決参照)。
前掲大阪高裁決定の事案は、妻が子どもまで巻き込んで宗教活動にのめりこみ、別居期間を経て離婚に至ったケースでしたが、夫が過分に支払った婚姻費用を財産分与の前払いとして評価することはできない、と判断されました。
このような判例を踏まえると、本件において、算定表で求められる基準額以上の婚姻費用を夫から支払ってもらっていたとしても、必ずしも財産分与金が減額されるとは限りませんが、あくまでも生活費として婚姻費用を受領すること(基準額以上の支払いが将来の財産分与の前払としての性質を有するものではないこと)を夫との間で確認して書面で残しておくのが無難と思われます。
Q4 浮気をしていた妻が、三歳の子供を連れて浮気相手の所へ出ていってしまいました。この度、妻から婚姻費用の請求をされたのですが、私は妻に婚姻費用を支払わなければならないのでしょうか?
多数の裁判例は、婚姻費用を請求する夫婦の一方(権利者)の有責性は、その程度により、婚姻費用の減額又は免除事由になることを認めています。というのは、夫婦の扶助義務に違反した配偶者が自らその義務を怠りながら、他方にその履行を求めるのは信義則に反すると考えられるからです。
もっとも、権利者に不貞行為がある場合でも、権利者が子を監護している場合、その養育費に相当する分は、子には何らの責任がないとして認めるのが通例です。
あなたの奥さんが以前から浮気をしていて、現在その浮気相手の下で生活をしているということであれば、奥さんの有責性は非常に高いといえます。よって、あなたは、お子さんの監護費用相当分のみを支払えばよいことになると考えられます。
Q5 私は現在妻と別居中です。私が自宅を出て、妻が自宅マンションに残っています。
別居後も私は、月8万円の自宅マンションの住宅ローンを支払い続けています。私の年収は800万円、妻の年収は100万円で子どもはいません。
妻から婚姻費用を請求されていますが、婚姻費用から住宅ローン8万円を差し引いてよいでしょうか。
このようなケースにおいて、婚姻費用から住宅ローン全額を差引くことは認められないことが多いと思われます。
なぜなら、住宅ローンの支払いは、自宅という資産を形成しているという面もありますから、あなたが住宅ローンを支払ったことの清算は、離婚時の財産分与で解決されるべき事柄となるからです。
もっとも、婚姻費用の額を決める際、あなたが住宅ローンを支払っていることが、全く考慮されないわけでありません。
婚姻費用は、調停や審判においては、当事者双方の収入状況を前提として、東京・大阪養育費等研究会による標準算定方式(判例タイムズ1111号285頁以下参照)に基づき試算されることがほとんどです。
本件では、義務者(夫)の年収が800万円、権利者(妻)の年収は100万円ですから、婚姻費用は10万円~12万円が相当となります。
この算定方式は、当事者双方が住居費をそれぞれ負担していることを前提として、婚姻費用の額を算定するものです。
本件のように義務者(夫)が、権利者(妻)の居住する自宅の住宅ローンを負担している場合は、夫が自己の住居費と妻の住居費を二重に負担している状態ですから、試算結果から妻の負担すべき住居費を差引くのが一つの考え方です。
その場合、負担すべき住居費とは、収入階級別1世帯当たり年平均1か月間の収入と支出(判例タイムズ1111号294頁参照)に照らして試算されることになります。
本件では、妻の収入に対応する標準的な住居関係費3万円弱が、婚姻費用から差し引かれることになります。
したがって、あなたが負担する婚姻費用は、10万円~12万円から妻の負担すべき住居費3万円を差し引いた、7万円~9万円となります。
Q6 現在、私は夫と7歳の子どもと3人で同居していますが、夫との仲が悪く、夫からは離婚を求められています。
私は子どものためにも離婚したくないと考えていますが、夫は生活費を入れてくれないようになり、食事も別で、いわゆる家庭内別居の状態となってしまいました。
私としては夫に婚姻費用を支払うように請求したいのですが、家庭内別居の状態でも婚姻費用の請求はできるのでしょうか?
家庭内別居の場合でも、婚姻費用は請求することができます。
但し、婚姻費用の金額については、婚姻費用の標準算定方式(判タ No.1111「簡易迅速な養育費等の算定を目指して」)は別居していることを想定して作成されたものですので、修正して算定されることが多いです。
どのように修正されるかについては、例えば、同居していることによって家賃や光熱費など実際には支払っていない経費がある場合に、標準算定方式で入れられている経費の控除額を減額することや、もしくは標準算定方式に基づいて一応の算定結果を出した後で、同居していることで夫が支払っている妻が負担するべき生活費を控除することなどして修正することがあります。
Q7 現在、私が4歳の子どもを連れて出て行く形で、夫と別居しています。
しばらくの間は別居状態を続けるつもりで、婚姻費用の話をしているのですが、その中で児童手当をどうするかという話になっています。夫との話し合いの結果、児童手当が私名義の口座に振り込まれるように手続をとることはできたのですが、夫からは、児童手当を受給している分、婚姻費用の額を下げる形で金額を決めたいと言われています。   児童手当を受給していると、その分、婚姻費用が減らされてしまうのでしょうか?養育費の場合はどうなるのでしょうか?
児童手当は、あくまでも子どものために、子どもと同居している親に支払われる国からの手当てですので、婚姻費用の場合でも養育費の場合でも、計算には含めないことが一般的です。
また、離婚後は、所得の状況によって児童扶養手当を受給できるようになる場合もありますが、これもやはり養育費の計算には含めません。したがって、児童手当を受給している分、婚姻費用の額を下げたいという相手の要望に応じる必要はありません。    婚姻費用も養育費も、それらの手当てを含めない形で、双方の収入をベースに検討していくことになります。
財産分与について
Q1 夫婦のまとまった財産としては、結婚してから積み上げてきた夫名義の500万円の定期預金しかないのですが、離婚すると、この定期預金はどうなるのでしょうか?
本来、夫婦が築き上げてきた財産はどちらか一方のものではなく、夫と妻の二人のものであると考えられています(夫婦共有財産。民法762条2項)。そのため、離婚をするに当たっては、この夫婦で共有してきた財産を分ける必要がでてきます。これが「財産分与」です(民法768条1項)。したがって、定期預金が夫婦生活の中で築き上げられてきたものであれば、この定期預金に関して財産分与を求めることができます。具体的な分け方としては、特別な事情がない限り、妻が専業主婦の場合でも2分の1ずつに分けるのが最近の裁判例の傾向であり、ご質問のケースでも、特に事情がなければ、夫に対して半分の250万円を分与するよう求められます。
Q2 結婚中に私の父が亡くなり、1000万円の預貯金を相続したのですが、これも離婚の際には財産分与の対象となって、相手に分与しないといけないのでしょうか?
財産分与の対象になるのは、あくまで夫婦の協力の下で築き上げられてきた夫婦共有財産ですから、相続で得た財産などの「特有財産」は分与の対象にはなりません。したがって、父親から相続した預貯金は財産分与の対象にはならず、それ以外の財産だけで、財産分与の額を計算することになります。
Q3 ギャンブル好きで、給与の半分近くをギャンブルにつぎ込んでいた夫と離婚しようと思うのですが、最近、万馬券を当てて300万円の現金を手に入れたようです。この現金300万円は財産分与の対象にならないのでしょうか?
財産分与の対象になるのは、夫婦の協力の下で築き上げられてきた財産ということになりますから、競馬の万馬券や宝くじなどで得た財産は当然には財産分与の対象になるわけではありません。しかし、その元手になったお金が夫婦共有財産であり、夫婦の協力がなければそもそもギャンブルにお金をつぎ込むことができなかったというような事情があれば、財産分与の対象になってきます。過去の審判(裁判)でも、万馬券で得たお金で不動産を購入したというケースで、その不動産が財産分与の対象とされたというケースもあります(奈良家裁平成13年7月24日審判)。夫婦の一方が、株取引やFX取引などで財産を増やしていた場合なども、同じように夫婦の資産状況や収入状況、元手となる資金はどこから出たのかということにより、財産分与の対象になるかどうかが変わってきます。
Q4 私は夫との離婚を考えています。夫個人名義の財産はほとんどないのですが、夫が経営している会社には相当の財産があります。そこで、その会社の財産を財産分与の対象財産としたいのですが認められるのでしょうか?
財産分与は夫婦双方が所有する財産を対象とするものですから、ご主人が所有する会社の持ち分(株式等)相当額、又は、持ち分そのものが財産分与の対象となるのは別として、会社の財産は財産分与の対象とはならないのが原則です。もっとも、それではご主人が個人財産を会社名義にしている場合等、財産分与に際して不都合が生じることは容易に想定されます。そこで、裁判例では、その会社の設立・維持発展してきた経緯、個人経営と大差ないか、同族会社か、等の諸般の事情を考慮した上で、一定の場合には会社財産も財産分与の対象として考慮することを認めています。ただし、裁判例においても、会社名義の不動産を財産分与の際に夫婦の一方に与えるというような現物分与を認めるのではなく、財産分与に際して、会社名義財産の価額も考慮に入れるべきとの判断をしています。したがいまして、ご主人が経営している会社の設立・維持発展にあなたが協力してきた、会社が個人経営と大差ない、等の事情がある場合には、会社財産も財産分与の対象として考慮される場合があります。
Q5 将来の退職金は、財産分与の対象となるのでしょうか?
財産分与の基準となる時期に自己都合退職した場合でも退職金が発生するケースであれば、財産分与の対象となる可能性が高いです。例えば、東京家庭裁判所の平成22年6月23日の審判を検討しますと、信用金庫に勤務していた夫に対して妻が将来の退職金を財産分与の対象として求めた事案で、財産分与の基準時期を別居時として、夫が信用金庫に30年以上勤務しており、定年間近で信用金庫を退職した場合は退職金の支給を受ける蓋然性が高いことから、財産分与の対象となるとしています。その上で、財産分与としてどの位支払うべきかについては、婚姻後別居時までは夫婦共同財産の維持をしてきたという評価が前提のもとで、「別居時自己都合退職金額×同居期間÷入社してから別居時までの在職期間×0.5」の割合で計算しました。
Q6 別居して5年になる夫とそろそろ離婚しようと考えており、財産分与の請求もする予定です。私達夫婦の財産としては、夫名義の数銘柄の株式があります。私は、株式の取得は希望しませんので、財産分与については金銭的な解決を希望しており、これについては夫も合意しています。もっとも、夫は別居後も株式を売買しているようですし、株価も変動していますので、いくら位の請求ができるのか見当がつきません。そこで、私がいくら位の請求ができるのか、考え方を教えて下さい。
ご質問は、いわゆる(清算的)財産分与の基準時についてということになります。この問題については、①財産分与の対象となる財産の確定をいつの時点を基準とするのか、②財産分与の対象となる財産の評価をいつの時点で行うのかという点で問題となります。
①については、別居時か離婚時(訴訟の場合には口頭弁論終結時)かで争いがありますが、この点に関する最高裁昭和34年2月19日判決は、財産分与については「当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮」すると定めた民法768条3項にいう「一切の事情とは当該訴訟の最終口頭弁論当時における当事者双方の財産状態の如きものも包含する趣旨と解するを相当とする」として離婚時基準説に立ったとされています。もっとも、この判例が積極的に財産分与の基準時を口頭弁論終結時とすべきであるとしたものではないと解されています。本来、財産分与の判断の基準時は要素ごとに考える必要があり、財産分与は夫婦が協力して築き上げた財産を分与するものである以上、夫婦の協力関係がなくなったとき、すなわち、別居時を基準と考えるのが理論的であり、これによる裁判例も存在します。ただし、別居後直ちに夫婦としての協力関係が消滅しないということもあります(別居後も協力して事業を行い財産を築き上げた場合等)。そこで、財産分与については、原則として別居時を基準として考え、公平の見地から別居後の事情も加味した方がいい場合には離婚時を基準と考える等、柔軟に対応せざるを得ないものと考えられます。
②については、不動産や株式等については、その時価の変動は夫婦の協力とは無関係であることから、基本的には、離婚時の時価を基準とするとされています。したがって、別居後のご主人の株式の購入に関してあなたが何らかの貢献をしたというような特別な事情がない限り、現在ご主人が所有している株式の内、5年前の別居時にご主人が所有していた株式が財産分与の対象となり、その株式について離婚時の株価(別居後離婚前に売却された株式については売却時の株価)を基準として評価額を算出することになります。そして、あなたは、その評価額の半分程度をご主人に請求することができると考えられます。
Q7 私は、妻との離婚調停を申立て、調停において財産分与について妻と協議しています。私達夫婦の財産は、私名義の時価2500万円の不動産、住宅ローン残債2300万円、私が生活費捻出のために借りた消費者金融からの残債300万円です。
妻との話がまとまらず、審判や訴訟になった場合、裁判所は財産分与において私の債務をどのように扱い、どのような判断をすることになるのでしょうか?
財産分与にあたり、債務を考慮することができるかについてですが、現在は、夫婦共同生活のために生じた債務は財産分与において清算するのが当事者間の公平に資すると考えられています。
ただし、財産分与にあたり、債務がどの範囲で考慮されるのかについては様々な考え方がありますが、現在の裁判例の多くでは次のような考え方がされています。
まず、財産分与の対象は、夫婦の積極財産から夫婦の消極財産の総額を差し引いたものとするとされています。そして、その総額がマイナスとなった場合には、裁判所が、債務者とはなっていない一方の配偶者に債務の分担として債務の一部ないし全部に相当する金員の給付を命じること等はできないとされています。
したがって、この考え方によると、あなた達ご夫婦の場合は、財産分与の対象が-100万円(2500万円-2300万円-300万円)となります。そして、裁判所が奥さんに債務の分担を命じることはできませんので、結局は、裁判所は財産分与については特段の判断をしない(あなた名義の不動産や債務はそのまま)ということになります。
Q8 私は現在、妻との離婚裁判中ですが、財産管理を全て妻に任せていたため、預貯金がどれくらいあるかわかりません。調べる方法はありますか?
まず、あなた自身名義の預貯金については、金融機関に取引履歴を開示してもらい、残高を調べることができます。なお、通帳とカードの再発行の手続きをとることによって、相手方から預貯金を引き出されてしまうことを防ぐことができます。
一方、相手名義の預貯金については、調査嘱託という制度を利用することが考えられます。調査嘱託とは、裁判所が、金融機関等から相手方の預金、信託財産等に関して、残額や取引履歴等必要な報告を求めるものです。嘱託先の金融機関等は、裁判所に対し、回答義務を負うことになります。
もっとも、この場合であっても、金融機関によっては、金融機関名と支店名がわからなければ調査嘱託をすることができませんので、どの金融機関のどこの支店に口座を持っているかについては、相談者の方で調べてもらう必要があります。
子どもの親権・引渡しについて
Q1 離婚に際して、夫婦双方が親権を希望しています。とりあえず協議で離婚だけしておいて後で親権者を決めることはできるのでしょうか?
離婚届が受理されるためには、親権者を指定していることが必要なので(民法765条1項,819条1項)、先に協議離婚をしておくことはできません。離婚時に元夫を親権者に指定しましたが、元夫が再婚することになったため親権者を元妻に変更したいと思っています。夫婦で合意することで親権者を変更することは可能でしょうか。一度指定した親権者を変更するには、家庭裁判所で調停(審判)をしなければなりません(民法819条6項)。これは当初の親権者指定を夫婦の協議で行なっていた場合でも同じです。
Q2 付き合っている男性との間に子どもができましたが、その男性が子どもを認知してくれません。どうすればよいのでしょうか?
その男性が任意認知(民法779条)しない場合には、子、子の直系卑属又はこれらの者の法定代理人からその男性を相手として家庭裁判所に認知の調停を申し立てることができます。調停手続の中で当事者間に認知の合意が成立した場合には、家庭裁判所が必要な事実を調査したうえで正当であると認める場合には、当該合意に相当する審判がなされることになります(家事事件手続法277条1項)。調停手続においても当事者間に認知の合意が成立しない場合には、子、子の直系卑属又はこれらの者の法定代理人からその男性を相手として家庭裁判所に認知の訴えを提起することになります(民法787条)。母親は法定代理人ですので、あなたが認知の調停を申し立てたり、認知の訴えを提起することになります。
Q3 私は子どもを連れて家を出て、私の実家で子どもと共に生活していましたが、夫が強引に子どもを保育園から連れ去ってしまいました。子どもを取り戻す為にはどのような手続きをとればよいのでしょうか?
家庭裁判所に監護者の指定及び子どもの引渡しを求める審判(または調停)申立てをすることになります(民法766条1項類推、家事事件手続法別表第2第3項4号類推適用)。また、強制執行を保全し、又は事件の関係人の急迫の危険を防止するため必要があるとき(虐待のおそれがある場合等)は、上記本案の申立と同時に、審判前の保全処分の申立てを行うことができます(家事事件手続法105条1項、157条1項3号)。これらの手続き以外にも、地方裁判所に子の引渡しを求める訴えを提起する方法や、地方裁判所または高等裁判所に人身保護請求の申立をすることも考えられます。しかしながら、家庭裁判所では、調査官により子の福祉の見地からの充実した調査を期待することができ、事件の特殊性に応じた迅速な進行を期待することができますので、やはり、まずは家庭裁判所での手続きをとるべきでしょう。
Q4 前問のAにある家庭裁判所への申立をしたところ、子どもを引き渡せという審判がなされたにもかかわらず、夫は子どもを引き渡してくれません。このような場合、どのような手続きをとればよいのでしょうか?
まずは、家庭裁判所に履行勧告(家事事件手続法289条1項、7項)をしてもらうよう申し立てることができます。履行勧告がなされたにもかかわらず夫が子どもを引き渡さないという場合には、強制執行(直接強制、間接強制)することになります。もっとも、子どもの引き渡しについては、子どもの福祉に十分配慮した方法で行う必要がありますので、夫が子どもを抱きかかえて離さない場合等執行不能とせざるを得ない場合もあります。また、子どもを引き渡すまで1日につき一定額を支払えという内容の間接強制の命令が出たとしても、夫が子どもを引き渡さないこともあります。このように強制執行によっても子どもの引き渡しが実現しない場合には、最終手段として、地方裁判所または高等裁判所に人身保護請求の申立をすることになります。
Q5 わたしには数年前に離婚した元夫との間に現在18歳になった子どもがおり,元夫が親権者となりました。離婚後,元夫は仕事を辞めて音信不通となり,わたしはずっと子どもと面会することができず,生活状況が分かりませんでした。
ところが,最近子どもからわたしに電話がかかってきて,元夫は無職で子どもを殴ったり脅したりして子どものバイト代を奪い取り,パチンコ等に費消しているとのことでした。さらに,子どもが一人暮らしをする家を借りるための保証人になることを拒否し,携帯電話を購入することにも同意しないそうです。このままでは子どもはいつまでたっても自立できず,父親のもとを離れられません。子どもを守るためにはどうすればよいでしょうか?
離婚後,親権者となった元配偶者の子どもに対する親権の行使が不適切であり,自分が引き取って育てたいと思われる場合には,通常,親権者・監護者(親権者ではないが子どもとともに生活して子どもを養育する権限をもつ者)を変更するための手続を行います。しかし,これには一定程度の時間がかかりますので,子どもが暴力をふるわれているおそれがあるような場合には,さらに迅速な手続をとる必要があります。元配偶者の親権の行使が著しく不適当であり,そのことにより子どもの利益を著しく害するときには,親権を喪失させることとあわせて親権者に代わって親権を行使する者として自らを選任するよう家庭裁判所に申し立てるという方法があります。後者は,保全処分という,特に迅速性を要する場合に使う手段です。
しかし,親権喪失は認められるための要件がそれなりに厳しく,また戸籍にも記載されるため,子どもと従来の親権者との関係修復が困難となってしまう可能性があります。そこで,平成23年より,親権は喪失させないが一時的に停止させる制度が使えるようになりました(民法834条の2)。この親権停止は,喪失に比べると認められる要件が緩い上,2年と効力が続く期間が限定されているため,後に親子関係を修復できる可能性のある場合などにも使いやすいといえます(2年を超えて停止させたいときには,再度申立てを行います)。この親権停止と上記の保全処分をあわせて申し立てることによって,数日で判断がなされた実際のケースもあるようです。これらの申立ては書面を家庭裁判所に提出しなければなりませんが(家庭裁判所に聞けば雛形を交付してもらえます),相手方の親権者に見せたくない書面については,非開示申出書を添付すれば裁判所も一定程度配慮してくれます。
なお,18歳未満の子どもが虐待を受けていると思われる場合には,行政機関としては児童相談所が窓口となって対応します。上記の親権停止が行われる前であっても,必要性があると判断されれば,親権者の同意なく親権者から子どもを引き離す一時保護という措置がとれる可能性もあります。法的なアドバイスとあわせて,最寄りの児童相談所に相談されることをお勧めします。
Q6 現在、夫と離婚協議中です。夫との間には2人の子供がいますが、お互いに2人の子供の親権を譲るつもりはありません。この場合、子供の親権はどのように決められるのでしょうか?
未成年の子供のいる夫婦が離婚する場合、必ず、父母のいずれか一方を親権者と決めなければなりません(民法819条1項・2項・5項)。その方法としては、夫婦間の協議で決める方法(819条1項)と、夫婦間の協議で決められない時に家庭裁判所が決める方法(819条2項、同条5項)の2つの方法があります。設問の場合は、夫婦2人の協議では決めることができそうもありませんので、家庭裁判所において、協議に代わる審判を行って決めるか(民法819条5項)、離婚の裁判において決定することになります(民法819条2項)。
では、家庭裁判所が親権者を決定する際にどのような判断基準に基づいて決定しているのか、過去の裁判例に現われた基準を確認してみましょう。まず、大前提として、父母の都合ではなく、未成年の子の福祉という観点、簡単にいうと、父母のいずれを親権者とした方がその子の健やかな成長にとってより有益であるかという観点から考えて親権者を決定することに異論はありません。したがって、そもそも子を監護する意思が乏しい場合や監護する能力がないような場合は、それらの意思や能力のある方の父又は母を親権者に決定することになります。そこで問題は、父母のいずれにも監護する意思と能力等がある場合であり、そのような場合に、家庭裁判所は、どのような判断基準で、子の福祉の観点からみてより望ましいと判断しているのかです。

過去の裁判例の傾向をみますと、
①子の意思を尊重する場合(なお、子が満15歳以上の場合、家庭裁判所は親権者指定の審判等をする際にその子の陳述を聴かなければならないとされています、人事訴訟法32条4項、家事事件手続法169条1項3号)。
②監護の継続性を重視する場合(子供に対する現在の監護状況を重視しようとする考え方)。
③母親を優先する場合(特に年少者にとっての母親の細やかな愛情と配慮が大切であるとする考え方)。
④兄弟姉妹の親権者を分けるべきではないとする場合(兄弟姉妹が共に暮らせる環境を重視しようとする考え方)といった傾向を確認することができます。

したがって、設問の場合も、父母のいずれにも監護する意思と能力等がある場合は、上記①から④の観点から、総合的に判断して、親権者が決定されることになる可能性が高いと考えらます。ただし、家庭裁判所は、個々のケースごとに、親の監護に対する意欲や能力の強さ、祖父母等の監護補助者の有無、親の経済力、子供の教育環境といった様々な事情も総合的に判断して親権者を決定しているのであり、上記の①から④の判断基準もそれさえあれば決め手になるというような絶対的な基準ではないないことに注意する必要があるでしょう。
子どもとの面会交流について
Q1 夫が浮気をしていることが発覚し、離婚を決意して長女(10歳)と長男(7歳)を連れて家を出ました。
現在、離婚条件について話し合いをしており、私が子どもたちの親権者になるということは夫も承諾してくれているのですが、夫からは離婚後も2人の子どもと会わせて欲しいと言われています。
できれば夫に会わせたくはないのですが、会わせなければならないのでしょうか?
離婚後あるいは別居中に、一緒に暮らしていない親が子どもと会うことを「面会交流」と呼びます(以前は「面接交渉」と呼んでいました)。「面会交流」は、必ずしも親のための制度ではなく、子どもにとっても、両親それぞれと交流し、両親からの愛情を確かめることにより、健全な心と体を育てる制度です。したがって、面会交流をすることが子どもにとって大きな悪影響となるような事情がない限りは、子どもと一緒に暮らしている親としても、原則として面会交流の実施に協力する責任があります。
Q2 現在、妻と別居中ですが、妻が一緒に連れて出て行った2人の子どもと会いたいのですが、妻が会わせてくれません。お互いにすぐに離婚をするつもりはないのですが、子どもと会うためにはどうしたらいいのでしょうか?
面会交流をすることが子どもにとって大きな悪影響となるような事情がない限り、面会交流をするのが原則です。とはいえ、実際には面会交流時の子どもの受け渡しや面会交流前後のケアを考えれば、妻が協力してくれなければ面会交流を行うことはできません。そこで、まずは家庭裁判所に面会交流を求める調停を申し立てることをお勧めします。家庭裁判所の調停では、2人の調停委員から妻に対して、面会交流の意義を説明するとともに、面会交流に協力するよう働きかけてくれるはずです。その上で、面会交流の頻度や方法などを決めていくことになります。
相手方がどうしても応じない場合、あるいは条件が折り合わない場合には、審判という手続で面会交流について決められることになります。調停はあくまで話し合いですので、話し合いがまとまらなければ結論が出ませんが、審判は裁判官(審判官)の結論が出されることになります。したがって、審判になれば、よほどの問題がない限り、面会交流を認める結論が出ることになりますが、現実に面会交流を実施するときには相手の協力が不可欠ですので、できる限り調停での話し合いで解決することが望ましいです。
Q3 現在、別居中の妻と離婚調停中ですが、そろそろ調停が成立しそうです。これまで、妻は私と子の面会交流を一切認めていなかったのですが、離婚成立後は、月一回の面会交流を認めると言っておりますので、調停調書に面会交流についても定めてもらおうと思っています。
ただ、これまで散々私と子の面会交流を妨害してきましたので、仮に調停調書に面会交流について定めても、妻がそれにきちんと従うとは到底考えられません。また、離婚後、面会交流の日時や受け渡し方法などについて私と妻との間で直接やりとりして決めることは困難です。このような状況で、調停調書に面会交流について定めてもらう場合、どのような点に注意する必要がありますか?
監護親(子どもと同居する親)が面会交流の実現を妨害することが想定されるような場合や、離婚後に直接当事者間で面会交流の日時や受け渡し方法などについてやりとりして決めることが困難な場合には、面会交流についての調停条項は、できる限り、面会交流の日時又は頻度、各回の面会交流の時間の長さ、子の受け渡しの方法等を具体的に記載しておいた方がいいと思われます。このような調停条項にしておけば、監護親と面会交流について細かな点を協議することなく面会交流の実現が可能となり、面会交流の実現可能性も高まります。また、正当な理由なく面会交流が履行されない場合に備えて損害賠償額の予定まで入れておけば、仮に、面会交流が実現しない場合でも、過去の不履行分について損害賠償請求をすることができます。損害賠償額の予定を入れることができなかった場合でも、面会交流が実現しないときには裁判所に申立てすることにより、調停条項とおりの面会交流がされないときには1回につき○万円を相手方に支払うよう命ずる間接強制決定を出してもらい、監護親に心理的なプレッシャーを加えることにより、面会交流が実現しやすくなります。
但し、面会交流について間接強制決定を求めることができるかどうかについては、最高裁平成25年3月28日決定が、裁判所が間接強制決定をすることができるためには、「面会交流の日時又は頻度、各回の面会交流時間の長さ、子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがない」といえなければならないという新たな判断を示してます。したがって、定め方によっては間接強制決定を出してもらえないこともありますので、注意が必要です。
Q4 現在、私が7歳の子どもを連れて出て行く形で、夫と別居しています。
夫からは、子どもに定期的に会わせて欲しいと連絡が来ており、私としても子どもと会わせることは構わないと思っていますが、夫の態度や暴言を吐かれたりしたことが別居理由だったこともあり、面会交流の日程調整を含め、できる限り夫とは直接やりとりしたくはありませんし、夫には絶対に顔を合わせたくありません。
また、夫には現在住んでいる場所は教えたくなく、夫に家まで迎えに来てもらうことも絶対に避けたいと思っています。
そのような状態で、面会交流をやっていく方法はあるのでしょうか。
様々な事情から、夫や妻と直接のやりとりをしたくない、顔を合わせたくないというケースはよくあります。
しかし、子どものためにも、できる限り面会交流は実施した方が望ましく、何らかの方法で面会交流を行っていく必要があります。
例えば、他の家族(子どもにとっての祖父母や叔母等)の協力が得られるのであれば、他の家族に連絡や子どもの受渡しについて協力を求めることで、面会交流を実施していくという方法があります。
また、そのような家族の協力を得ることが難しい場合などには、面会交流の援助をしている団体の助けを借りるというのも一つの方法です。
例えば、公益社団法人家庭問題情報センター(通称「FPIC」)では、面会交流の付添や受渡しなどの援助を行っています。離婚を含む家庭紛争の調整や調査に携わってきた元家庭裁判所調査官が中心となって設立された団体であり、全国各地に相談室が置かれており、ここの利用を検討してみてもいいと思います。
但し、各県に設置されているわけではありませんし、面会交流援助を受ける場合には費用もかかりますので、そこも含めて検討する必要があります。
いずれにせよ、最も理想的な面会交流は、両親が直接関与して行う面会交流であり、すぐには難しいとしても、家族やFPIC等の協力を得ながら面会交流の実績を重ね、両親だけで面会交流を実施していく方法を模索していくことが重要です。
不貞関係について
Q1 別居中の妻がいる男性と肉体関係をもってしまいました。その男性の妻から慰謝料請求されています。結婚している男性と肉体関係をもってしまった場合、どのような場合でも慰謝料を払わなければならないのでしょうか?
最高裁判所平成8年3月26日判決によれば、「配偶者と第三者が肉体関係を持った場合において、婚姻関係がその当時既に破綻していたときは、特段の事情のない限り、不法行為責任を負わないものと解するのが相当である」と判示されています。これは、不貞行為が不法行為となるのは、平和に過ごしている夫婦を破綻させることに根拠がある以上、すでに破綻している夫婦については原則として法的保護に値しないという点が理由になります。
もっとも、この「婚姻関係が破綻していたかどうか」という立証は容易なものではありません。一般的には「どの程度の期間別居を続けていたか」などの事情から判断していくことになりますが、別居していても婚姻関係が破綻しているとは言えないとされた場合もあり、ケースバイケースです。ご質問のケースでは、その男性と妻との関係の婚姻関係が破綻していたことが立証できれば、特段の事情がない限りは慰謝料を支払う義務を負わなくなりますので、婚姻関係が当時破綻していたかということを詳しく検討していくことになります。
Q2 妻と子どものいる男性と肉体関係をもってしまいました。きっかけは、その男性の方から飲みに誘われて自然の愛情によって生じたものです。その後その男性は妻と子どもと別居し、私と同棲を始めました。私は特に男性と子どもが会うことについては邪魔していません。男性の妻とその未成年の子どもから慰謝料を請求されていますが、未成年の子どもに対しても慰謝料を支払う義務があるのでしょうか?
最高裁昭和54年3月30日判決によれば、「妻及び未成年の子のある男性と肉体関係を持った女性が、妻子のもとを去った右男性と同棲するに至った結果、その子が日常生活において父親から愛情を注がれ、その監護、教育を受けることができなくなつたとしても、その女性が害意をもつて父親の子に対する監護等を積極的に阻止するなど特段の事情のない限り、右女性の行為は未成年の子に対して不法行為を構成するものではないと解するのが相当である。」とされています。
これは、父親がその未成年の子に対し愛情を注ぎ、監護、教育を行うことは、他の女性と同棲するかどうかにかかわりなく、父親自らの意思によつて行うことができることが理由とされています。今回のケースでも、あなたがことさらに男性と子どもが会うことを邪魔しているなどの特別の事情がなければ、未成年の子どもに対して慰謝料を支払う義務はありません。
Q3 私は妻と別居し、妻以外の女性と1年間同棲していますが病気で勃起不全に陥っており、性行為は一度もしていません。今妻から不貞行為を理由に離婚と慰謝料を求められていますが、肉体関係がない場合でも「不貞行為」に該当するのでしょうか?
「不貞行為」とは何かという点では、裁判例では「肉体関係がある場合」のことを指しているケースが非常に多いです。ただし、不貞な行為=肉体関係かといわれるとそうでもないケースもあります。裁判例をみていると、肉体関係と明確にいえなくとも、「同棲」や「肉体関係と似たような行為」があったと認められる場合には、不貞な行為にあたると考えられているようです。最高裁判例をみても「不貞な行為」のことを「肉体関係」と記載したものも多いですが、必ずしもそれには限られていません。最高裁の平成8年3月26日の判決では、「不貞な行為」が不法行為になる理由は、「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害するから」とされています。このような最高裁判例の趣旨から考えると、不貞な行為というのは「客観的に見て、婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する行為」と定義することができそうです。安西二郎裁判官は法律雑誌の論文において、上記の観点から
「不貞な行為」というのは
①性交又は性交類似行為 ②同棲 ③X(配偶者)の立場に置かれた通常人を基準として、夫婦間の婚姻を破綻に至らせる蓋然性のある異性との交流、接触をいうと解すべきであると結論づけています。
従いまして、この解釈からすると、たとえあなたが妻以外の女性と性行為を行っていなくても、同棲を1年間行っていることからすると、客観的に見て婚姻共同生活の平和を侵害したものとして、「不貞行為」に該当する可能性が十分にあります。
Q4 私は今交際相手の妻から不貞行為を理由に慰謝料請求されていますが、私は交際相手が結婚していることは知っていましたが、妻が誰かとも知りませんでしたし、結婚生活を壊そうとも全く思っていませんでした。これでも責任を負わないといけないのでしょうか?
不貞行為による責任が成立するための認識は、「交際相手に配偶者がいることであり、それで足りる」とされています。これは、不貞行為が一般的に結婚生活の平和を破壊する行為と考えられている以上、結婚生活に与える影響まで考える必要はないとされているからです。あなたが、交際相手に配偶者がいることを知って不貞行為を行っている以上は、責任を負わなければなりません。
Q5 夫が結婚10年目で不貞行為をして出て行ってしまい、別居せざるを得なくなりました。別居した後は1カ月15万円の生活費をもらっています。別居が始まってから5年経ったところで、夫から離婚請求を受けています。夫は息子が6歳のときに出て行ったのですが、まだ息子は11歳の小学5年生ですし、息子には心臓疾患の持病があり医療費がとてもかかっています。私はパートで収入が1カ月5万円ほどしかなく、将来の不安が大きいです。今私は40歳になりますが、できれば離婚せずに生活費をもらいながら子どもを育てていきたいと考えています。離婚を拒否することはできるでしょうか?
夫が不貞行為をして出て行ったということですので、夫は自ら離婚原因を作って婚姻関係を破綻させた有責配偶者と評価できます。
有責配偶者からの離婚請求は原則として認められません。
例外的に認められる場合であっても、有責配偶者からの離婚請求が認められるかどうかの基準としては、要旨、①夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間であること②その間に未成熟の子が存在しないこと③相手方の配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれるなど離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえないことがあげられます(最判昭和62年9月2日参照)。 この判断基準は信義誠実の原則を具体化したもので、総合的に各要素を判断して考慮されます。
今回のご質問では、まだ10年間の同居期間と比べて別居期間5年ということですので相当長期間とは評価できませんし、11歳のお子様はまだ教育や福祉の面で配慮を要する年齢であり、未成熟の子がいます。
さらに、1カ月5万円の低収入ということですので、お子様の病気の医療費のことも考えると離婚によって社会的、経済的に苦しく苛酷な状況に置かれると評価できます。
  このような状況を考えれば、夫からの離婚請求を拒否できると考えられます。
Q6 私は,妻子ある男性と不倫をしてしまいました。
現在,その男性の妻から慰謝料を請求されています。
私は慰謝料を支払わないといけないのでしょうか?
また,慰謝料には相場等あるのでしょうか?
(1)基本的に,妻がいる男性と不倫をした女性が,妻から慰謝料を請求された場合,支払いをしなければなりません。なぜなら,女性は,男性との不倫により,「妻と夫との婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害」したからです(最三小判H8.3.26民集50-4-993参照)。
なお,不倫は,必ずしも肉体関係があった場合に限定されるわけではなく,「妻の立場に置かれた通常人を基準として,妻と夫との間の婚姻を破綻に至らせる蓋然性のある交流・接触」と解されます(判タ1278-47参照)。すなわち,仮に肉体関係がなかったとしても,「普通に考えればそれは夫婦関係を壊すような行為ですよね」と判断されるような行為を行えば,損害賠償責任を負う可能性があるということです。
(2)例外的に,女性が,男性に妻がいることを知らず,かつ,知らなかったことに過失がなければ,女性は妻からの損害賠償責任を免れます。ただし,女性が,男性と知り合った時点で男性が結婚していたことを知っていた場合,後に男性が「もう離婚した」と言っていたとしても,男性の言葉を裏付ける何らかの根拠が存しない限り,女性には過失がありと判断される可能性があります。
また,女性が男性と交際を開始した時点で,既に男性と妻の間の婚姻関係が破綻していた場合には,女性は妻からの損害賠償責任を免れます。ただし,男性と妻との間で単に離婚話が出ているだけの場合や,夫婦仲が冷えたりしているだけの場合は,裁判上,婚姻関係が破綻しているとまでいえないという判断がされ,損害賠償責任が認められる可能性も高いでしょう。また,この場合も,前記と同様,「既に妻との間の婚姻関係は破綻している」という男性の言葉を信じただけでは足りず,男性の言葉を裏付ける何らかの根拠が必要でしょう。
(3)慰謝料の額については,数十万円のものから数百万円のものまで,ケースによって様々です。
慰謝料の額を算定するにあたっては,例えば,①婚姻期間,②婚姻生活の状況,子の存在,③不貞期間,④不貞の具体的内容・頻度,⑤不貞の主導者,⑥離婚に至ったか否か等,様々な事情が考慮されます(前記判タ参照)。
このうち特に②③④⑤等は,客観的証拠が少なく,裁判になった場合も人証頼りになるケースが多いです。ただし,最近では,携帯電話やパソコンのメール等が有力な証拠となることもよくあります。
年金分割について
Q1 年金分割の制度を利用して夫又は妻(以下、便宜上「夫」とします。)の年金を受け取ることができるのは、どのような種類の年金についてですか?
年金分割の対象となるのは、夫が被用者年金保険の被保険者(厚生年金保険の被保険者、国家(地方)公務員共済組合の組合員など)、である場合です(国民年金法7条3号、2号、厚生年金保険法78条の2、国家公務員共済組合法93条の5、地方公務員等共済組合法105条、私立学校教職員共済法25条)。例えば、夫が会社員や地方公務員である場合(過去にそうであった場合も含みます)などは年金分割の制度を利用することができますが、自営業者である場合は利用することができません。
Q2 離婚が成立した後でも年金分割の請求をすることはできますか?
離婚が成立した後でも、年金分割の請求をすることができます。ただ、合意分割(夫・妻が年金分割について合意したことによる分割及び調停・審判による分割)は、離婚後2年以内に社会保険事務所に対し分割の請求をしなければなりません(厚生年金保険法78条の2第1項)。また、年金分割の制度が定められたのは平成19年4月1日なので、これ以前に離婚した人は年金分割の制度を利用することはできません。
他方、平成20年4月1日以降に離婚した人が利用できる3号分割(平成20年4月1日以降の年金につき、被扶養配偶者からの請求により支払われるもの)については、期間の制限はありません。
Q3 離婚しましたが、元夫が年金分割の合意に応じてくれません。合意がなくても年金を分割する方法はあるのでしょうか?
元夫と直接話をして合意することができなくても、調停を申し立てることが可能です(厚生年金保険法78条の2第1項2号、同条2項)。調停で合意が成立しなかった場合も、手続は自動的に審判に移行するので、裁判官の判断を得ることができます(厚生年金保険法78条の2第3項、家事事件手続法別表第2第1項)。
また、平成20年4月1日以降に離婚した人は、3号分割(国民年金法7条1項3号)の制度を利用することができます。但し、この制度を利用して分割される年金は平成20年4月1日から離婚するまでに納付された保険料に対して支給される年金についてです。
Q4 夫との事実婚を解消しました。事実婚を解消した場合でも年金分割の制度を利用することはできますか?
婚姻の届出をしていなくても、事実婚状態にあり夫の扶養に入っていた妻が、事実婚を解消し、夫の扶養から外れた場合には年金分割の請求をすることができます(厚生年金保険法78条の2第1項、同法施行規則78条、国民年金保険法5条8項、7条1項3号、同法2項、国民年金保険法施行令4条)。
Q5 年金分割の制度を利用すればいくら位年金を受給することができるのでしょうか?
合意分割(夫・妻の合意による場合及び調停・審判による場合)では、婚姻後離婚までに納付した保険料について支払われる年金のうち、合意又は調停・審判で定められた割合が支払われます。この場合の割合は、2分の1以下でなければなりません(厚生年金保険法78条の3第1項)。
3号分割(平成20年4月1日以降の離婚につき、被扶養配偶者からの請求により支払われるもの)では、平成20年4月1日から離婚までの期間に納付した保険料について支払われる厚生年金のうち、2分の1に当たる部分が分割されます(厚生年金保険法78条の14第2項)
Q6 離婚に際し、夫と合意書を作成しました。合意書には、「離婚についてお互いに何らの債権債務がないことを確認する」との清算条項が入っています。離婚後に年金分割の制度を知ったのですが、もう年金分割を請求することはできないのでしょうか?
年金分割の請求権は、妻の夫に対する請求権でなく、公法上の権利とされています。つまり、夫婦間の債権債務の問題ではありません。合意書の他の条項にもよりますが、合意書に清算条項が入っているからといって必ずしも年金分割の請求ができなくなるわけではありません。
Q7 年金分割に際し、年金記録の情報は請求できますか?
社会保険庁にある情報提供請求書に所定事項を記入し、年金手帳、戸籍(事実婚期間がある場合は住民票を併せて)等の必要書類を提出すれば、分割対象期間、老齢基礎年金及び老齢厚生年金の見込み額等の情報が提供されます(国民年金法14条の2、同法施行規則15条の2)。
離婚した際の名字について
Q1 私は40歳になり夫と離婚しましたが,世間体も気になり,苗字を変えたくないのです。子供の親権も私がとりましたが,子供も15歳になり,苗字をそのまま使わせたいと思っています。離婚したら苗字は変えなければならないのでしょうか?
(1)何も手続をとらなければ,結婚の際に氏を変更した妻は,離婚によって結婚前の氏に戻ります(民法767条1項,771条)。ただし,離婚の日から3ヶ月以内に届出をすることにより,婚姻期間中に使用していた氏をそのまま使うことができます(民法767条2項,771条)。

(2)子供については,両親が離婚しても,原則として,そのままの氏を使用することになります(民法790条1項)。

ただ,親権をとった母が婚姻前の氏に戻った場合など,親と子の氏が異なる事態が生じてしまった場合,家庭裁判所の許可を得て,届出をすることにより,子の氏を変更するとが出来ます(民法791条1項)。家庭裁判所の許可を得る手続や届出など,氏の変更に必要となる手続は,子が15歳未満の場合は法定代理人(通常は親権者)が代わって行なうことになります。
協議離婚について
Q1 夫との話し合いにより、離婚することが決まりました。夫からもらう慰謝料、財産分与、及び、養育費の額についても合意ができました。きちんと支払いをしてもらえるか不安なので、夫に合意書を書いてもらおうとは思っていますが、それを書いてくれれば離婚届を提出する予定です。何か気を付けた方がいいことはありますか?
離婚後、約束した養育費等を支払わなくなる人は、残念ながら多数います。しかし、単なる合意書では、夫が養育費等を支払ってくれなくなったときにわざわざ裁判等を起こさなくてはなりません。そこで、単なる合意書ではなく、公正証書を必ず作っておくべきです。公正証書を作成し、強制執行認諾条項を付けておけば、仮に夫が養育費等を支払わなくなったとしても、裁判等を起こすことなく、夫の財産や給料等を差し押さえることができるのです。公正証書は全国の公証役場で作成することができます。
離婚届不受理制度について
Q1 半年ほど前に妻の浮気が発覚し、私はカッとなってその場で離婚届に署名・押印し、その離婚届を妻に渡しました。しかし、落ち着いて考えてみると、子どももまだ小さいですし、やっぱり妻とやり直したいと今は思っています。
妻がこのまま勝手に離婚届を提出してしまったら、離婚が成立してしまうのでしょうか?
本来であれば離婚届提出の際に離婚意思が必要とされ、離婚届提出の時点で離婚の意思がなければ離婚は成立しないはずです。しかし、役所で離婚意思があるかどうかの実質的な審査を行うことはありません。bre そのため、離婚届に形式的な不備がなければ離婚届は受理され、協議離婚が成立してしまい、後から「協議離婚無効の調停」等を起こして争わなくてはならなくなってしまいます。そこで、妻に勝手に離婚届を出されないよう、役所に「離婚届不受理申立て」を行っておく必要があります。役所に備え付けられている所定の用紙に必要事項を記入して提出をしておけば、妻が勝手に離婚届を提出しても、役所は離婚届を受理しません。なお、平成20年5月1日以降に行った届出については、いったん届出を行えば、届出を取り下げるまで、その効力は続きます。しかし、平成20年5月1日より前に行った届出は、最長6ヶ月間で不受理届け出の効力が切れていますので、改めて届出をし直すことが必要です。
平成25年1月施行の家事事件手続法について
Q1 子ども(現13歳)の親権を争って現在調停中なのですが、子どもは既に相手方のもとで生活しています。相手方は、子どもは自分のもとで生活したいと言っていると主張していますが、子どもが本当にそんなことを言っているとは信じられません。どうすればよいでしょうか?
親権者の指定または変更の調停手続において15歳未満の子どもの意見を確認したいときには、家庭裁判所調査官が行う子どもの意向調査に伴い、当該調査官を介して聴くことができます。ただ、調査官が子どもの意向調査をするかどうかは任意であり、必ず行われるとは限りません(なお、親権者の指定・変更の審判手続において、15歳以上の子どもの意見の聴取は必ずなされます(家事事件手続法169条)。)。
平成23年5月19日、家事審判法に代わる家事事件手続法という名称の新たな法律が成立しました。この法律では、家庭裁判所は、適切な方法によって家事調停の手続における子の意思を把握するよう努め、子の年齢及び発達の程度に応じて、その意思を考慮しなければならないと定められました(家事事件手続法65条、258条1項)。この改正を踏まえ、家庭裁判所の運用としても、従来よりも子の意向調査が行われるケースが多くなってくる可能性はありますし、調停の当事者としても、上記条文を根拠に、家庭裁判所調査官に対して子の意向調査を行うよう促すことが容易になったといえます。
もっとも、上記条文は当事者に子の意向調査を請求する権利を定めたわけではありませんので、同法施行後も、あくまで家庭裁判所に対して子の意向調査を促すことしかできません。
そこで次に、子どもを主体的に調停手続に参加させ、子ども自身に自分の意見を表明させる方法が考えられます(同252条1項4号)。これは、今回の改正により新たに認められた制度です。一般的に、13歳くらいであれば自分の意見を表明できるだけの力を持っているものと思われ、従来に比べて子どもの意思を把握しやすくなると思われます。
Q2 夫の性格から考えて、婚姻費用の分担請求の調停を申し立てると資産を隠すことが予想されるのですが、どうしたらよいでしょうか?
夫の資産を保全する、つまり夫が預貯金を全て引き出したり、不動産を売却したりすることができないようにする必要があります。
これまでは、審判前の保全処分の申立ては審判係属を要件としていたため(家事審判法15条の3)、審判の申立てと同時に保全処分を申し立てる必要がありました。したがって、調停申立前や調停係属中の段階ではこの方法によることができず、一般的な民事保全法によらざるを得ませんでした。
この点に関し、家事事件手続法により、必ずしも審判の申立てまでしなくとも、保全処分を行うことが可能(審判の申立てまでは不要)となりました(家事事件手続法105条1項)。 したがって、施行後に相手方の財産を保全する必要のある質問事例のような場合には、保全処分の申立てを婚姻費用分担請求等の調停の申立てと同時に行うことになります。
Q3 離婚事件の記録は、誰でも、いつでも閲覧・謄写できますか?
かつて、家事審判規則12条により、事件に関係する者が裁判所の許可を得た上であれば、閲覧・謄写等を行うことができるようになっていました。上記許可においては相当性を満たすことが要件となっていました。
平成23年5月に成立した家事事件手続法で認められている記録の閲覧・謄写においても、この点は従来とほぼ同様ですが、当事者による閲覧等の申し出があった場合には、原則これを認めることとし、許可しない場合の例外事由が定められました(同法47条1項、3項)。
これによれば、①事件の関係人である未成年者の利益を害するおそれがあるとき、②当事者もしくは第三者の私生活もしくは業務の平穏を害するおそれがあるとき、③当事者もしくは第三者の私生活についての重大な秘密が明らかにされることにより、その者が社会生活を営むのに著しい支障を生じ、もしくはその者の名誉を著しく害するおそれがあるとき、④事件の性質、審理の状況、記録の内容等に照らして当該当事者に申立てを許可することを不適当とする特別の事情があるときには、当事者であっても閲覧等の申立てが不許可となる場合があります。
また、当事者による閲覧等許可の申立てが却下された場合には、即時抗告、つまり不服を申し立てることができます(同法47条8項)。
なお、当事者でない第三者が記録の閲覧・謄写の申請が認められるためには、従来と同じく、利害関係を疎明し、かつ相当性を満たす必要があります。
DV事件について
Q1 3カ月ほど前から,何か気に入らないことがあると,夫は,子どもの目の前で私に暴力を振るったり,私を大声で怒鳴ったりするようになりました。
抵抗するとさらに怒るため抵抗することもできず,毎日怯えています。子どもを連れてどこかに逃げたいと思っていますが,追いかけてきて暴力を振るわれるのではないかと心配です。何かいい方法はないでしょうか?
まず,あなたと子どもの安全確保のため,警察や配偶者暴力相談支援センターに相談すべきです(警察や配偶者暴力相談支援センターへの相談は,後記保護命令の要件でもありますので,早めに必ずしておくべきです)。
それと併行して,夫に避難先を知られないよう注意しながら,早急に避難するのがよいでしょう。 さらに,その後に夫が追いかけて来たりしないよう,裁判所に保護命令(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(いわゆるDV防止法))の申立てを行います。
保護命令には,接近禁止命令(6カ月間,被害者につきまとったり,被害者の避難先住居や職場付近等を徘徊したりしてはならないという命令)(同法10条1項1号),退去命令(2カ月,被害者が加害者とともに住んでいた住居から退去し,付近を徘徊してはならないという命令)(同法10条1項2号),電話等禁止命令(面会要求や電話・ファックス・メール送信等を禁止する命令)(同法10条2項)があります。 保護命令が出された場合には,裁判所から警察に通知がなされますし,保護命令が出されたにもかかわらずそれに従わなかった場合には懲役や罰金の罰則が設けられています。
弁護士は,保護命令の申立てだけでなく,警察への対応要請や夫の対応,その後の夫との離婚手続等も行うことができます。一度,早い段階で弁護士に相談してみてください。
Q2 私は交際中の彼から,殴る蹴る等の暴力を受けています。結婚しておらず,同棲もしていない相手からの暴力の場合も,裁判所に申し立てをすれば保護命令を出してもらえるのでしょうか?
DV防止法は婚姻関係にある(あった)夫婦を対象としており,交際中の恋人の場合には適用されません。
ただし,例えば,長期間にわたって同棲していて内縁の夫婦といえるような場合には適用される余地があります。
そのため,まずは,警察に相談に行き,傷害罪(刑法204条)や暴行罪(刑法208条)での告訴や被害届を出したり,ストーカー規制法の援助や警告を出してもらったりするのがよいでしょう。
また,恋人が自宅に押しかけるような場合には,恋人に避難先を知られないよう注意しながら,早急に一時避難するのがよいでしょう。
さらに,恋人に対しては,治療費や慰謝料の請求を行ったり,民事保全法に基づいて接近や電話をしないよう仮処分を求めたりすることもできます。
Q3 夫から暴力を振るわれるため,現在,子どもを連れて知人の家に避難しています。避難先は夫に知られていません。
しかし,夫が,子どもが通う小学校の近くをうろうろしているようです。
夫は子どもに対して暴力を振るったことはないのですが,私を呼び出すために子どもを連れ去ったりするのではないかと心配しています。何か良い方法はないでしょうか?
裁判所に接近禁止命令の申立てを行うと同時に,あるいは,既に接近禁止命令が出されている場合には,裁判所に対して,接近禁止命令の期間中,子どもにつきまとったり,子どもの学校付近等を徘徊したりしてはならないという命令(以下,「子への接近禁止命令」といいます。)を出すよう申し立てることができます(DV防止法10条3項)。br 子への接近禁止命令は,仮に子どもが加害者に連れ去られてしまうと,子どもを連れ戻すために被害者が加害者に会いに行き,そこで被害者が加害者に暴力を振るわれる危険があることを想定した,被害者の生命・身体への危害防止のための制度です。
したがって,子どもの生命・身体に危害が加えられるおそれがあることは要件とされておらず,加害者が子どもを連れ戻すと疑うに足りる言動を行っていることやその他の事情からして,子に関して被害者が加害者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があるということが要件とされています。

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