消費者トラブル

消費者トラブル

取扱分野

  • ・悪質商法
  • ・インターネットトラブル
  • ・投資被害
  • ・マルチ商法問題等

 当事務所では、特定商取引に関する法律その他関係法令に違反する悪質商法への対処を始めとして、近年増加しているインターネットトラブルや投資被害まで、幅広く消費者の権利を救済する業務を取り扱っております。

悪質商法

1 悪質商法とは(一例)
高齢者を狙った訪問販売や電話勧誘販売
いわゆるマルチ商法・内職商法・モニター商法
高額な中途解約料を請求するエステや英会話教室等
2 悪質商法に対する対処(一例)
契約書やパンフレット等を手がかりに、契約内容が法令に従ったものか検討する。
請求が違法・不当であるか検討する。
請求が違法・不当であると判断したら、弁護士名で悪質業者に対し、
「請求は違法・不当であり、請求を止めること」
「今後の交渉は弁護士が窓口となること」
を通知する。
悪質業者が、弁護士からの通知や交渉を経ても、一向に違法・不当な請求を止めない場合は、民事訴訟を提起して、裁判所に支払う義務がないことを確認して貰う。
既に支払済みのお金があれば、法律に従って悪質業者に返還を請求すること可能か検討したうえ、悪質業者の資力等も勘案しながら、悪質業者に対して支払済みのお金の返金を請求したり、民事訴訟を提起したりして対処する。

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インターネットトラブル

1 インターネットトラブルとは
インターネットが普及した結果、一見して素性の分かりにくい相手との取引が増加しています。
取引相手の中には、一般企業と同様の信義誠実な対応をする者もあれば、会社名や所在地が知られにくいことを良いことに、いつまでも商品を送ってこないまま連絡がつかなくなったり、そもそも適切でない商品やサービスを販売したりする等、ずさんな対応や不適切な業務を行う者も少なくありません。
2 インターネットトラブルへの対処
素性の分からない取引相手であっても、弁護士間のネットワークを通じて類似被害に関する情報を集約する等して取引内容や取引相手の実態を解明し、可能な限り、通常の民事事件と同程度に法令に従った適切な解決がなされるよう対処します。

投資被害

1 投資被害とは

近年の金融制度改革の結果、銀行の窓口でも様々な種類の金融商品が販売されるようになり、インターネットが普及した結果、情報処理の高度化が進み、個人でも様々な種類の投資に参加しやすい環境が用意されています。
投資は、日々、身近な存在となっているのです。

しかしながら、投資は、多かれ少なかれ、常にリスクとリターンの伴うもので、各人の投資に関する知識・経験、資産構成等によって、各人の負担できるリスクにはそれぞれ限度がありますから、そのような限度を無視したハイリスクな投資へ参加すべきではありません。
もっとも、各人の負担できるリスクの限度を超えるハイリスクな投資へ参加したという人は少なくありませんし、なかには、ハイリスクな投資へ参加した結果、当初の想定していなかった多大な損失を被り、経済状況が著しく悪化したという人もいます。
そして、ハイリスクな投資へ参加した人というのは、往々にして、投資に関する十分な知識・経験がなくハイリスクな投資に相応しくないことが明らかであるにもかかわらず、証券会社等により十分な説明もされないままに勧誘され、ハイリスクな投資であることを十分に認識できないままにハイリスクな投資へ参加していた、という人が少なくありません。

2 投資被害への対処
弁護士は、投資被害を被った個人が、どのような知識・経験・資産構成等の下で、どの程度のリスクを内在する投資に、どのような背景や経緯で投資に参加することになったのか確認します。
その上で、実際にどのような取引がなされたのか取引相手との交渉や裁判所の証拠保全等を通じて調査して、取引内容に問題がなかったか検討します。
その結果、法令に従って、証券会社等の金融商品取引業者に対し投資に参加したことで個人が被った損害を回復するよう請求することもあります。

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消費者トラブルのQ&A

訪問販売の勧誘・契約申込の撤回,クーリングオフについて
Q1 訪問販売の勧誘が断ってもしつこくて困っています。訪問販売の勧誘は拒否することが出来ないのでしょうか?
訪問販売の勧誘は拒否することが出来ます。法律上,訪問販売の勧誘員は,消費者から契約しないことを告げられたら,それ以後,社会通念上相当と考えられる一定期間は勧誘をしてはいけないと決められています(特定商取引法3条の2第2項)。勧誘を断っても勧誘員が度々勧誘に訪れるという場合,消費生活センターの相談員に相談し,相談員から業者に電話して勧誘をやめるよう勧告して貰うという方法があります。退去を求めても長時間退去しないという場合には,不退去罪が成立する場合がありますので,警察に連絡して対処して貰うという方法もあります。なお,退去してくれないことで困惑しやむなく契約していまったような場合には,契約の申込を取り消すことができる場合があります(消費者契約法4条3項2号)。
Q2 訪問販売でパソコンを購入しましたが,よく考えてみるとパソコンは不要でした。購入した以上,代金を支払わないといけないのでしょうか?
代金を支払わなくてすむ場合があります(商品は返品することになります)。法律上,訪問販売にあたる契約は,原則として契約書を受け取った日から8日間以内であれば,クーリング・オフ権を行使して,契約の申込を撤回することができます(特定商取引法9条1項)。但し,例外として,商品が消耗品(例えば,化粧品等)であり,消費者が自発的に商品の一部または全部を使用した場合や,商品が経年劣化の激しい物(例えば,生鮮食品等)であり,消費者が商品を既に受け取っている場合等,契約の申込を撤回することができない場合がありますので,注意が必要です(特定商取引法26条4項)。
従って,設例のパソコンの販売契約について,契約してから8日間以内に訪問販売業者宛にクーリング・オフ権を行使する旨の葉書等を発送するという方法をとれば,代金を支払わなくてすむ場合があります。なお,契約してから8日間を過ぎていても,例えば,消費者が受け取った契約書にクーリング・オフ権を行使できることを記載されていなかった場合や,そもそも消費者が契約書自体を交付されていなかった場合など,販売契約の申込を撤回できる場合があります(特定商取引法9条1項・5条参照)。
Q3 訪問販売で着物を購入したのですが,一度に5着も同一販売業者から購入してしまいました。購入した以上,代金を支払わないといけないのでしょうか?
代金を支払わなくてすむ場合があります(商品は返品することになります)。法律上,訪問販売にあたる契約によって日常生活において通常必要な分量を著しく超える商品を購入したのであれば,契約した日から1年間以内であれば,契約の申込を撤回することができます(特定商取引法9条の2)。従って,設例の着物5着の販売契約について,契約した日から1年間以内に訪問販売業者宛に契約の申込を撤回する旨の葉書等を発送するという方法をとれば,代金を支払わなくてすむ場合があります。
Q4 訪問販売でイタリア製と説明を受けてネクタイを購入しましたが,実は中国製だと分かりました。購入した以上,代金を支払わないといけないのでしょうか?
代金を支払わなくてすむ場合があります(商品は返品することになります)。法律上,訪問販売業者が商品について事実と異なることを説明したため,消費者が事実を誤認して商品を購入したのであれば,契約の申込を取り消すことができる場合があります(特定商取引法9条の3)。なお,訪問販売業者以外の売主から購入した場合でも,売主が商品について事実と異なることを説明したため,消費者が事実を誤認して商品を購入したのであれば,同様に契約の申込を取り消すことができる場合があります(消費者契約法4条1項)。従って,設例のネクタイの販売契約について,訪問販売業者宛に不実告知を理由に契約の申込を取り消す旨の意思表示をするという方法をとれば,代金を支払わなくてよい場合があります。
Q5 訪問販売業者に契約をキャンセルすると伝えたところ,高額のキャンセル料を請求されました。キャンセル料は支払わなければならないのでしょうか?
キャンセル料は支払わなくてすむ場合があります。契約書等に,解約する場合にキャンセル料等を支払う必要があると記載されている場合がありますので,そのように説明する訪問販売業者もいるようですし契約書等を鵜呑みにしてしまうケースも見られます。しかし,法律上,クーリング・オフ権等の行使等により契約の申込の撤回等を行える場合,契約内容に関係なく,一切のキャンセル料を支払わないでよいと決められています(特定商取引法9条3項,同8項,9条の2第3項)。さらに,法律上,クーリング・オフ権等の行使等以外の方法により契約を解除等した場合,契約内容に関係なく,例えば,商品の受領前であれば,契約締結及び履行に通常要する費用を超えて支払わないでよいとされています(特定商取引法10条)。
従って,設例の高額のキャンセル料の請求について,それが契約書等に記載されているとしてもこれは関係ないものとして,支払わなくてすむものと考えられます。なお,消費者が訪問販売業者より「クーリング・オフ権を行使すると高額のキャンセル料がかかる」と不実告知を受けたために誤認しクーリング・オフ権を行使しないまま契約してから8日間が経過したような場合,消費者はその後もクーリング・オフ権を行使することができますし(特定商取引法9条1項但書),訪問販売業者のクーリング・オフ権の行使に関する不実告知は禁止行為及び刑事罰の対象行為とされています(特定商取引法6条1項5号,70条)。
Q6 訪問販売でパソコンをクレジットカードの代金分割払いで購入しました。販売業者に対してクーリング・オフ権を行使しても,カード会社へ支払わなければいけませんか?
カード会社へ支払わなくてすむ場合があります(商品は返品することになります)。法律上,訪問販売業者に代金を支払わなくてすむ場合は,消費者に代金を立替払いしてくれたカード会社や訪問販売業者の提携ローン会社に支払わなくてすむ場合があります(割賦販売法30条の4,29条の4)。また,最近改正された割賦販売法により,カード会社とのクレジット契約を直接クーリング・オフすることができれば,原則として販売契約もクーリング・オフしたものとみなされ,カード会社に対しても,訪問販売業者に対しても,代金を支払う必要はなくなります(割賦販売法35条の3の10第5項・35条の3の11第7項)。
なお,設例から離れますが,立替払いや提携ローンの利用ではなく,消費者が商品の代金を支払うために訪問販売業者とは無関係の金融機関から借り入れたにすぎない場合は,金融機関に返済する必要があります(その際は,消費者としては,訪問販売業者に,クーリング・オフ権の行使等を行ったうえ,支払済みの代金の返還を請求して(民法703条等・特定商取引法9条5項等参照),支払に充てる方法等を検討することになります。
Q7 訪問販売でパソコンを購入し,代金は既に支払いました。クーリング・オフ権を行使したら,代金は返還して貰えますか?
代金を返還して貰える場合もあります。法律上,訪問販売業者が商品代金等に関連した金銭を受領している場合に,消費者よりクーリング・オフ権の行使を受ければ,消費者に対し,キャンセル料等を差し引くことなく代金の全額を速やかに返金しなければなりません(民法703条等・特定商取引法9条5項等参照)。実際には,訪問販売業者に請求した結果,相手が交渉に応じなければ,訴訟等の法的手続を取ったり経済産業省大臣等から訪問販売業者に指示して貰ったり(特定商取引法7条)することが必要となる場合もあり,返金が実現することに障害が伴うこともあります。
インターネットショッピングについて
Q1 インターネット上のオンラインショップで,洋服1着をクレジットカード決済で購入しました。しかし,購入した洋服の手触りや質感が私の期待していたものと違いました。商品を返品してクレジットカードの請求を止めることはできませんか?
商品を返品してクレジットカードの請求を止めることができる場合があります。インターネットショッピング等の通信販売では,ホームページ上での説明等を参考に商品を選ぶことができますが,商品の実物を手に取って選ぶ機会はありませんので,商品の実物がホームページ上での説明等と異ならないとしても,消費者が商品を選んだ際に抱いていた期待に沿わないということも少なくありませんので,どのような場合に返品できるか否か等は予め決めておくべき事柄であると考えられます。
法律上,インターネット上のオンラインショップにおいて,事業者が商品の返品について,返品の申出を受け付ける期間を定める場合や,返品の申出を受け付けないと定める場合には,消費者がパソコン等で商品の購入申込を行う際に明瞭にそのことを判読できるように,画面の見やすい箇所に商品の返品特約を表示しなければなりません(特定商取引法15条の2第1項本文・但書,特定商取引法施行規則16条の2)。事業者は,画面の見やすい箇所に商品の返品特約(例えば,「商品お届け日から3日間」)を表示しておけば,商品の返品特約に従った取扱い(例えば,商品お届け日から3日間以降は返品の申出を受け付けない)が可能となりますが,画面の見やすい箇所に商品の返品特約を表示していなければ,商品の返品特約に従った取扱いではすまされず,法定期間内(商品の引渡を受けた日から起算して8日間)は返品の申出を受け付けなければいけないものと解されます。なお,消費者の返品の申出(購入申込の撤回)の方法ですが,商品を購入したインターネット上のオンラインショップに対し,電子メールと葉書で,「返品したい」旨を通知するのが,迅速に通知するとともに証拠を残すために無難な方法であるように思われます。
また,消費者が返品の申出(購入申込の撤回)ができた場合,消費者は,オンラインショップに代金を支払わなくてよいだけでなく,消費者に代金を立替払いしてくれたカード会社に支払わなくてよいことになります(割賦販売法30条の4,29条の4)。従って,設例のクレジットカードの請求について,画面の見やすい箇所に明瞭に判読できるように商品の返品特約が表示されていれば,その期間内,表示されていなければ,商品の引渡を受けた日から起算して8日間内,商品の返品の申出をして,クレジットカードの請求を止めることができます。
架空請求・ワンクリック詐欺等について
Q1 私の使っている携帯電話に,見知らぬメールアドレスから「有料番組利用料として3万円を3日以内に支払ってください。支払わないと違約金として更に20万円を追加請求します。」等とメールが届きました。有料番組を利用した等の身に覚えはありませんが,どのように対処すべきでしょうか?
不当な請求であると考えられるので,静観すべきです。数年前からニュース等で取り上げられていますが,法律の規定がわかりにくいことを利用して,他人に金銭の支払を請求する理由がないのにあたかもあるように装って,電子メール,葉書等の匿名性の高い方法で金銭の支払を請求する,いわゆる架空請求という詐欺の手法が存在します。法律上,契約していないのであれば,原則として,契約に基づく利用料や違約金等を支払う義務を負うことはありません。
従って,設例の有料番組利用料等の請求について,有料番組を利用した等の身に覚えがないのであれば,契約の申込の意思表示はなく契約は成立していませんので,有料番組利用料や違約金を支払う義務はありません。なお,事情を説明しようと考えてメールアドレスに返信したり記載された電話番号に電話したりすると,個人情報を聞き出されるようなことになって,却って不当な請求が繰り返される場合があります。
Q2 私の使っている携帯電話に,見知らぬメールアドレスから「ポイント無料進呈します」と書いてあったので,確認しようとメールに書いてあるURLをクリックしたところ,「登録完了。登録料として3万円を3日以内に支払ってください。」等と表示されました。どのように対処すべきでしょうか?
不当な請求であると考えられるので,静観すべきです。いわゆる架空請求のほか,インターネットの仕組みがわかりにくいことを利用して,消費者の意に反しているのに「契約している」等と主張し,更に「IPアドレスから氏名や自宅の住所を割り出している」等と脅迫し,金銭の支払を請求する,いわゆるワンクリック詐欺という手法が存在します。
法律上,契約していないのであれば,原則として,契約に基づく利用料や違約金等を支払う義務を負うことはありませんし,仮に契約が成立している場合でも,意に反して契約させられた場合,錯誤(民法95条本文)により契約は無効です(なお,民法95条但書の適用が問題となりますが,電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律3条(電子商取引に関する準則)により,確認措置がなされなければ適用されません。)。なお,顧客の意に反して通信販売に係る売買契約又は役務提供契約の申込をさせようとする行為は,法律で禁止されています(特定商取引法14条1項2号参照・施行規則16条1項)。
従って,設例の登録料の請求について,契約の申込の意思表示はなく契約は成立していませんし,仮に契約が成立していたとしても,意に反して契約させられており,確認措置がなされていませんので,登録料を支払う義務はありません。
出会い系サイトについて
Q1 出会い系サイトに「ポイント無料進呈」と書いてあったので登録してみましたが,利用を続けていたら,よく分からないうちに別の有料サイトを利用していたことになっていて,高額な請求を受けました。利用した以上,利用料の支払を拒否できませんか?
利用料の支払を拒否できる場合があります。よく分からないうちに別の有料サイトを利用していたことになっていたとのことですが,その仕組みの一つとして,
①事業者が無料サイトと有料サイト(ID・パスワード共通)を用意する
②消費者に無料を謳って無料サイトの利用を契約させる
③無料サイトの規約に「無料サイトに登録すると,有料サイトからメールが届くようになっており,当該メールの送受信等を通じて有料サイトを有料で利用できる。」旨を記載しておく
④利用者に有料サイトから無料サイトからのメールと区別のつきづらいメールを送る等して,無料サイトと区別のつきにくい有料サイトを利用するように誘導し,利用させる
⑤一定期間後,有料サイトの利用料を請求する
等の仕組みが考えられます。法律上,契約していないのであれば,原則として,契約に基づく利用料を支払う義務を負うことはありませんし,仮に契約が成立している場合でも,契約の内容を誤信して契約させられた場合,錯誤(民法95条本文)により契約は無効です(なお,民法95条但書の適用が問題となりますが,電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律3条(電子商取引に関する準則)により,確認措置がなされなければ適用されません。)従って,設例の有料サイトの利用料について,そもそも有料サイトを利用する旨の契約の申込の意思表示はなく有料サイトとの間の契約が成立していないし,仮に無料サイトとの契約と同時に有料サイトとの契約が成立していたと考えられても,消費者が無料サイトの規約の内容について誤信し確認措置がなされていなければ,錯誤を理由として契約が無効となりますので,有料サイトの利用料を支払う義務はありません。なお,契約が不成立または無効となった場合,有料サイトでの利用は不当利得となりますが,消費者は,有料であったことを知らずに利得を得ていたので,基本的には利用料相当額の支払義務を負うことはないと考えられます(但し,有料サイトでやり取りしたメールのデータは,今後,閲覧等を控え,請求を受けないことが確認でき次第,全て削除すべきでしょう)。
Q2 これまで高額の利用料を支払って出会い系サイトを利用してきましたが,いつまでたっても,メールをやり取りしていた相手に出会ません。これまで支払った高額の利用料は返金して貰えないのでしょうか?
返金されるべきであると思いますが,回収が難しい面もあります。出会い系サイトでは,出会い系サイトの事業者が消費者に高額な利用料を払わせることを目的に,従業員等に仕事として利用者を装わせてメールの返信等をさせている場合(サクラ)があります。事業者が説明し消費者が期待していることは,利用者が互いにコミュニケーションを取ることを目的に出会い系サイトをコミュニケーションツールとして使用していることですので,サクラが大半であるということであれば,事業者が説明し消費者が期待していることと大きく異なります。
法律上,事業者が契約締結について勧誘する際,重要事項について消費者の不利益となる事実を故意に告げず,消費者が当該事実が存在しないと誤認し,契約の申込の意思表示をしたときは,消費者は,契約を取り消すことができます(消費者契約法4条2項本文)。従って,設例の出会い系サイトの支払済みの高額の利用料について,通常はサクラがいることなど告知されませんので,重要事実の不告知等を理由に契約を取り消し,あるいは錯誤による契約の無効を主張して返金を請求することができます。
しかし,出会い系サイトにおいて,利用者が誰かということは明らかではないので,利用者の大半がサクラであることを立証することは容易ではありませんし,事業者の実体(会社名・本店所在地・代表者名)等は明らかではないことも多いので,出会い系サイトの事業者に直接請求するだけでなく,カード決済代行会社に対して加盟店管理責任を追及するなど,請求の相手方や方法に工夫が必要ですし,結果として回収できない場合もあります。
オンラインゲームについて
Q1 無料と聞いて利用していましたが,しばらくして高額の利用料の請求を受けました。支払わなければならないのでしょうか?
ケースバイケースですが,支払がやむを得ない場合もあります。オンラインゲームには,利用料が無料であると宣伝しており,無料で登録できるものの,無料で遊べる部分がゲーム中のごく基本的な部分に限られており,ゲームの進行を助けたり演出を高めたりするために消費者が有料のオプションを購入したくなるように作られているものが少なくありません。法律上,事業者が契約締結について勧誘する際,重要事項について消費者の不利益となる事実を故意に告げず,消費者が当該事実が存在しないと誤認し,契約の申込の意思表示をしたときは,消費者は,契約を取り消すことができます(消費者契約法4条2項本文)。設例のオンラインゲームの高額の利用料について,ケースバイケースですが,契約の際,規約等が表示されて確認措置がなされていれば,支払を拒否するのは必ずしも容易ではありません。
未成年の利用について
Q1 小学生の息子が,私の名義で契約している携帯電話のオンラインゲームで 遊んでしまい,携帯電話の会社から私宛に20万円の請求書が届きました。支払わなければならないのでしょうか?
法律上,未成年者のした契約であれば,親権者の同意がない限り,親権者は原則として契約を取り消すことができます(民法4条)。もっとも,未成年者であっても,自ら年齢確認等で成人であると入力する等していれば「詐術」にあたり契約を取り消せない場合があります(民法21条)。また,未成年者の利用したオンラインゲームについて,親権者が異議を留めずに利用料を支払ってしまえば,親権者が未成年者の契約を追認したことになりますので,取り消せない場合があります(民法125条本文1号)従って,設例の未成年者の利用したオンラインゲームについて,親権者が契約を取り消して,携帯電話の会社からの請求を拒否することができる場合があります。
電話勧誘販売について
Q1 宅地建物取引業者(不動産業者)から「投資用に分譲マンションを購入しないか」と電話勧誘を受け、現物を見ないまま、郵送での文書のやりとりを経て、住宅ローンを組んでマンションを購入しました。しかし、なかなか入居者が決まらず賃料収入のないまま住宅ローンの支払だけが続いている状態です。そこで、マンションの売買契約を解約して代金を返還して貰い住宅ローンを返済したいのですが、可能でしょうか?
契約内容、契約締結に至る経緯、契約締結後の状況等によっては、難しい場合があります。まず、通常の商品(例えば健康食品等)の売買契約について、事業者から消費者への電話勧誘による方法での契約締結は、特定商取引法における電話勧誘販売にあたる場合があり、同法に基づくクーリング・オフ権を行使することにより、売買契約を解約して代金を返還して貰える場合があります。しかし、宅建業者が消費者との間で行うマンションの売買契約について、特定商取引法は適用されません(特定商取引法26条1項8号ロ)。
従って、特定商取引法に基づくクーリング・オフ権を行使することによりマンションの売買契約を解約して代金を返還して貰うことはできません。次に、宅建業者と消費者との間で行うマンションの売買契約について、郵送での文書のやりとりによる方法での契約締結は、宅建業法における事務所等以外の場所においてした買受申込にあたる場合があり、同法に基づくクーリング・オフ権を行使することにより、売買契約を解約して代金を返還して貰える場合があります。しかし、申込者等が、当該宅地または建物の引渡を受け、かつ、その代金の全部を支払った場合、宅建業法に基づくクーリング・オフ権を行使することはできません(宅建業法37条の2第1項)。従って、鍵の引渡を受け、かつ、住宅ローンで代金全額を支払った場合、宅建業法に基づくクーリング・オフ権を行使することによりマンションの売買契約を解約して代金を返還して貰うことはできません。
また、宅建業者と消費者との間で行う契約について、消費者契約法の適用を受けますので、同法に基づく取消権を行使し、売買契約を取り消して代金を返還して貰える場合があります。しかし、消費者契約法に基づく取消権を行使できるのは、重要事実と異なる事実の告知、重要事実の故意の不告知または断定的判断の提供のいずれかがあった場合等に限られます(消費者契約法4条1項1号2号、2項等)。従って、重要事実と異なる事実の告知等がない場合、消費者契約法に基づく取消権を行使することによりマンションの売買契約を取り消して代金を返還して貰うことはできません。このように、個別の法令による救済が得られるか否かは、契約内容、契約締結に至る経緯、契約締結後の状況等によって異なります。よって、マンションの売買契約を解約して代金を返還して貰い住宅ローンを返済することが難しい場合があります。
連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)について
Q1 友人に「あなたも一緒にネットワークビジネスをやりませんか。マルチ商法ではありませんし、契約書をきちんと作成しているので違法ではありません。」と誘われました。話を聞いていると、マルチ商法でなく違法ではないような気もするのですが、違うのでしょうか?
一般に、マルチ商法とは、特定商取引法における連鎖販売取引にあたる取引を言うようですが、現在の特定商取引法は幅広く連鎖販売取引にあたるように規定していますので、事業者がマルチ商法ではないと言っていても、連鎖販売取引にあたるものも少なくないものと思われます。しかし、連鎖販売取引にあたるとしても、特定商取引法の定める厳しい規制に従う限り、当然に全て違法であるということではありません。従って、友人にどのような説明を受けたとしても、説明に惑わされずに、取引の内容をよく確かめて法律に照らして判断する必要があります。
なお、連鎖販売取引と比較されるものとしてネズミ講が挙げられますが、ネズミ講とは、無限連鎖講防止法における無限連鎖講を言い、商品販売等の取引実体もなく金品配当を謳って加入者に金品を納付させる組織で、当然に違法とされています(無限連鎖講防止法3条等)。また、形式的に連鎖販売取引にあたるものの、販売される商品の市場価値と購入価格に著しく差がある場合や、提供される役務の市場価値と対価に著しく差がある場合等には、取引実体がないとして、実質的に無限連鎖講にあたるとされる場合もあります(さいたま地裁平成18年7月19日判決参照)。
Q2 マルチ商法等と呼ばれる連鎖販売取引とは、どのような取引ですか?
法律上、連鎖販売取引について、下記のとおり定義や要件を定めていますが(特定商取引法33条1項)、親子型や並列型等、幅広く連鎖販売取引にあたるように規定されているため、文言が難解となっていますので、典型事例に沿って理解する方が簡明であるものと思われます。
1 物品の販売(または役務の提供等)の事業であって
2 再販売、受託販売もしくは販売のあっせん(または役務の提供もしくはそのあっせん)をする者を
3 特定利益(紹介料や販売マージン、ボーナス等)が得られると誘引し
4 特定負担(入会金、商品購入費、研修費等の名目で、何らかの金銭的な負担)を伴う取引(取引条件の変更を含む。)をするもの
連鎖販売取引の典型事例を挙げると、X社の会員であるAさんが、Bさんに、「X社から商品を購入して会員になれば、Bさんは紹介料を貰えるようになります。紹介料は、Bさんが誰か(例えばCさん)を勧誘してその誰か(例えばCさん)もX社から商品を購入して会員になった時に、その商品代金の数%について発生します。」と勧誘して、BさんがX社から商品を購入したような事例が挙げられます。この事例における連鎖販売取引は、X社とBさんとの間の「Bさんが紹介料を貰えるという約束付の」商品売買契約ということになります。
ここでポイントとなるのは、X社とBさんとの間の商品売買契約を結ぶにあたって、AさんがBさんに「Bさんが将来Bさんの勧誘した誰かのX社に支払った代金の一部を貰えること」を誘い文句の一つに挙げていることです。そして、連鎖販売取引とは、簡単に言えば、あなたも紹介料を得られます等との誘い文句を受けて商品を購入するという取引を指します。マルチ商法等と呼ばれる連鎖販売取引について、法律ではどのような規制が定められていますか。 勧誘方法、必要書類の交付等、厳格な規制が定められています。連鎖販売取引でポイントとなるのは、典型事例で言えば、X社とBさんとの間の商品売買契約を結ぶにあたって、AさんがBさんにBさんが将来Bさんの勧誘した誰かのX社に支払った代金の一部を貰えることを誘い文句の一つに挙げていることです。
このような誘い文句を鵜呑みにして、代金が高額であっても借入や立替払いによって商品を購入するということも少なくありません。しかし、上記典型事例で言えば、実際にBさんが購入代金やそれ以上の紹介料得るためには、紹介料がCさんによる購入代金のうちの数%でしかない以上、CさんにX社より一定金額以上の商品を購入して貰うか、Cさん以外にもたくさんの第三者を勧誘しなければなりません。従って、実際には、紹介料を貰えるという誘い文句とは違って、勧誘がうまく進まずにほとんど儲からず、商品の購入代金支払のための借入が返済できないような場合や、友人・知人を執拗に勧誘したために人間関係を変質させてしまう場合が少なくないと言えます。
このように、連鎖販売取引では、契約時に見込んでいた事情と実際の結末が異なる場合が少なくありませんので、多くの規制がなされています。具体的には、勧誘にあたって、業者等の氏名等の明示義務、不実告知の禁止、事実不告知の禁止、威迫等の禁止、公衆の出入りしない場所での勧誘等の禁止、広告への特定事項の表示義務、誇大広告禁止、二重の法定書面交付義務、断定的判断の提供の禁止等が規定されています。
Q3 知人のAさんに、「他の人も勧誘できたら他の人が会社から買った商品の代金の10%がマージンとして貰えますよ。あなたの商品の代金は会社への分割払いでいいです。会社への分割払いはマージンとして貰えるお金で済ませばいいです。あなたも、私のようにきっと儲かりますよ。」等というふれこみで誘われました。結局、健康食品会社から代金30万円(分割払い)で大量の健康食品を買いましたが、儲からないどころかこのままでは会社への代金30万円の分割払いも出来ない状態です。契約書は貰っていません。商品を返品して支払を止めて返金して貰うことはできますか?
商品を返品して支払を止めて返金して貰うことができる場合があります。法律上、連鎖販売取引について、商品の販売業者は、勧誘を開始してから契約を締結するまでの間に、法律で定められた事項について記載された概要書面を交付しなければなりませんし、契約締結後遅滞なく、法律で定められた事項について記載された契約書面を交付しなければなりません。そして、クーリング・オフ権は、原則として契約書面を受領した日から起算して20日間以内に書面により意思表示を発信すればいいので、法定事項について記載された概要書面及び契約書面を交付していない場合、クーリング・オフ権は、原則としていつまでも行使することができます。従って、クーリング・オフ権を行使して、契約の申込の意思表示を撤回し(または契約を解除し)、支払を止めることができる場合があります。
Q4 私は、知人のAさんより同じような勧誘を受けましたが、商品の購入代金は、クレジットカードで支払いました。クレジットカード会社からの請求を止めることはできますか?
クレジットカード会社からの請求を止めることができる場合があります。法律上、商品の販売業者に対してクーリング・オフ権を行使した場合、そのことは、その商品の販売業者を加盟店としているクレジットカード会社に対しても対抗することができます(抗弁権接続。割賦販売法30条の4,29条の4)。なお、その商品の販売業者を加盟店としているクレジットカード会社に対して直接クーリング・オフ権を行使することもできます。
Q5 私は、知人のAさんより同じような勧誘を受けたので、商品の販売業者に対し、クーリング・オフ権を行使したのですが、返金を受ける前に、商品の販売業者が倒産してしまったようです。私を勧誘した知人のAさんから返金を受けることはできますか?
知人のAさんから返金を受けるのは難しい場合が多いと考えられます。法律上、連鎖販売取引における連鎖販売業者及び統括者は、連帯して返金義務を負いますが、勧誘者は、返金義務を負わないものとされています。知人のAさんがどのような活動を行っていたかにもよりますが、職業的勧誘者とまで言えるような、継続的に営利目的で勧誘していたのでもない限り、知人のAさんは勧誘者にすぎず、統括者として連帯して返金義務を負うことはないものと考えられます。
同様に、知人のAさんが、職業的勧誘者とまで言えるような、継続的に営利目的で勧誘していたのでもない限り、勧誘方法が特定商取引に違反する部分があったとしても、直ちに不法行為に基づく損害賠償義務まで負うということはないものと考えられます(さいたま地裁平成18年7月19日判決参照)。なお、連鎖販売取引において、消費者は、当初は勧誘を受けて被害者のような立場に立つことがありますが、その後勧誘を行って加害者のような立場に立つこともあり、そのような消費者に対し違法な勧誘をしたからと直ちに損害賠償義務を認めて良いかは、難しい問題であると言われています。

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